《検定雑感》192回全経簿記検定

■3級商業簿記
3級商業簿記の出題内容が改定されて今回で7回目を迎えますが、仕訳問題で新規の論点が少しずつ出題されていること、伝票から勘定口座への転記、精算表作成問題の決算整理事項の費用の繰延べ見越し項目が増えたことを除き、改定前と難易度はそれほど変わっていない印象を受けています。
弊社の「完全分類全経簿記3級」「PAST3級」では、変更内容を先取りしていましたから、本書で学習することで十分対応可能であったと思います。新しい範囲の論点がどのような形で今後の本試験で出題されるか予想は難しいですが、いち早く情報提供をしたいと考えております。


■2級商業簿記
第1問の仕訳問題では、出題範囲が改定されてまだ出題のなかった新しい論点である割戻、投資不動産と営業外支払手形が出題され、出題範囲表に明示されている内容を網羅しつつあります。
第2問の計算問題では、新傾向の形式と従来からの形式の問題がバランスよく出題されています。今回は期首・期末貸借対照表と各元帳から各金額を算定する問題でした。
第3問の帳簿記入では、商品有高帳(移動平均法)の作成と金額推定の問題が頻繁に出題されています。今回は売上帳、仕入帳の記入面から商品有高帳の作成と商品販売益の金額を求める問題でした。
第4問の伝票会計では、伝票の起票と集計表を作成する問題、伝票記入面から集計表を作成する問題が多く出題されています。今回は、各取引から伝票起票と集計表を作成する問題でした。
第5問の精算表作成問題と本支店財務諸表の作成問題が出題されています。今回の合併後損益計算書の作成問題で、出題範囲改定後の合併後貸借対照表作成と合併後損益計算書作成の問題が出そろいました。決算整理事項では、商品に関して棚卸減耗費の処理、商品評価損の処理が本支店会計のみで問われています。
精算表の作成問題では、商品の評価はまだ出題されていません。今後の出題を見たいと思います。
これまでの出題で、出題範囲表に含まれる論点が網羅されているとはいえません。今後どのような形で出題されるか分かりません。出題状況を見て「完全分類全経簿記」「PAST2級」の手直しを加えていく予定です。
合格点を突破するためには弊社発行の問題集で十分対応可能と考えておりますが、さらに受験者の要望に応えるべく情報提供に努めます。


■2級工業簿記
2級工業簿記の試験が開始されて今回で7回目を迎えました。前回の問題が若干難しかったものの、形式的、難易度的に、ほぼ落ち着いてきました。
第1問は原価の分類、第2問は仕訳問題、第3問は総合原価計算、第4問は勘定体系、第5問は個別原価計算という構成です。
パターン学習が可能だからといって、過去問題を暗記するという勉強方法ではなく、工業簿記の体系や手続きをしっかり理解する勉強方法を採ることが大切です。


■1級商業簿記・会計学
第1問 理論問題
「明瞭性の原則」と「継続性の原則」に関する出題でした。予想を立てるのは困難であったと思います。企業会計原則全般を学習しなければ高得点が得られなくなっています。
理論問題の範囲は広範囲であるため、これまでほとんど出題のなかった論点も含めて学習することが、合格のために得策なのかを考える必要があります。企業会計原則の暗記に費やす時間を他の問題に振り向け、合格点を突破する方が効率は良いと考えます。
弊社の直前模試は、以上の点を考慮して利用できるように構成しています。
第2問 仕訳問題
1級の範囲として重要な論点を中心に出題されています。リース会計、固定資産の買換えや有価証券の取得は定期的に出題されています。弊社の直前模試で過去出題傾向をしっかり押さえた受験者は高得点が可能であったと思います。
第3問 経営分析
最近頻繁に出題されている論点です。代表的な比率の算定方法を知ることが大切です。直前模試でも取り上げていますので、合格点が獲得できたのではないでしょうか。
第4問 外貨換算会計
企業がグローバル化している今日、外貨換算会計を習得することは欠かせません。連結会計とともに重要な論点です。直前模試にも出題していますので、高得点が可能でした。
第5問 財務諸表の作成
損益計算書作成と貸借対照表の貸方を作成する問題でした。論点は、過去出題問題とほとんど同じでした。直前模試を何度も解いた受験生は、高得点を獲得できたのではないでしょうか。


■1級原価計算・工業簿記講評
第1問 理論問題
今回の理論問題は、〇×問題でした。出題形式もいろいろ工夫されているようですが、原価計算基準の内容から逸脱したものではありません。
原価計算基準は、原価計算・工業簿記を学習する基本になる概念や手続き等が記載されたものです。受験者は必ず押さえておかなければいけないものです。範囲が広すぎて学習時間が取れないという声も聞きます。比較的出題頻度の高いもので構成されている弊社の直前模試を中心に学習を進め、10点以上の得点を狙えばよいでしょう。
第2問 仕訳問題
仕訳問題は、出題範囲の全般からもれなく出題されています。また、出題頻度の高い論点を中心に出題されています。出題されている論点は基本的かつ重要な内容です。弊社の直前模試は出題頻度の高い重要な論点を中心に問題を構成していますから、高得点が可能な内容といえます。
第3問 個別問題
等級別原価計算表の作成と製品勘定の記入が出題されました。この範囲はこれまでほとんど出題のなかった内容でしたが、直前模試にも類似問題が掲載されていました。直前模試で学習した受験者は満足のいく結果が得られたものと思います。
第4問 総合問題
今回は、部門別個別原価計算の原価計算表の作成、各勘定記入と差異分析を問うものでした。差異分析は今回が初めての出題と思われます。
全経簿記検定の総合問題は、原価計算の手続と勘定体系がしっかり学習できていれば高得点が可能です。また、原価計算を理解する問題として、とても良い問題であると思います。原価計算を学習する人には一度は解いてもらいたいものです。出題範囲も限られ、内容も安定していますので、解くスピードを身につければ高得点が可能です。
弊社の模擬問題集は、以上の点を考慮し、本試験に十分対応できる内容構成をとっています。