149回日商簿記検定2級 講評

【総評】
今回の商業簿記は、ボリュームが豊富なうえ、特に第2問は難易度が高く、合格点を獲得するのがかなり厳しい内容であったと思われます。工業簿記は、第4問で金額算定にてこずりそうな内容が含まれていたのを除けば、従来通り高得点を狙える出題であったように思われます。それらを総合すると合格率は20%前後になるのではないでしょうか。
山掛けに頼った受験者や解答手順を誤った受験者には厳しい結果が待っているだろうと思われます。昨今の2級は、基本事項を総合的に理解し、スピーディーに解く能力が備わっていないと合格できない試験になっています。受験者には負担が大きいですが、基本事項を総合的に理解する学習を心掛けたいものです。
第1問、第4問、第5問合計で50点、第2問、第3問合計で20点以上で合格という試験だったのではないでしょうか。


第1問
仕訳問題は問題5を除き、基本的な内容でしたので、4問は正解したい内容でした。問題5は、どの時点の仕訳を求めているのかを読むのに苦労する問題でした。

第2問
商品売買取引と外貨建取引の期中取引と決算時の処理を問うものでした。初めて見る形式だと決めつけて頭の中が真っ白になってしまった受験者が多かったのではないでしょうか。よく見ると商品売買取引のうち仕入は外貨建て、販売は日本円での取引でした。処理方法は売上原価対立法でした。個別に見ればしっかり学習している内容です。持ち時間内に分かるところだけでも埋めると10点は獲得できた問題です。

第3問
本支店会計のうち本店損益勘定を作成する問題でした。予想を外されたという声が聞こえていますが、本支店会計は出題範囲に含まれている内容ですので、当然学習しておかなければいけない範囲でした。未処理事項と決算整理事項等が本支店に関するものであることを除き、通常の損益計算書や貸借対照表の作成に登場するものと同じです。
本店の損益勘定には支店純損益が振り替えられますので、本店損益の他、支店の純損益を算定する手間がかかります。自分の持ち時間では到底終わりません。途中で気が付いて支店の純利益は捨てた受験者はまずまずの点数が取れていると思います。

第4問
直接原価計算による仕掛品勘定の記入と損益計算書の作成問題でした。問題文と答案用紙をよく見て、資料を読んでいけば正解が得られる問題でした。資料の読み込みに時間を掛けすぎないことがポイントだろうと思います。[資料]7.その他の内容を各項目に当てはめることが出来れば高得点が可能でした。

第5問
工程別総合原価計算の仕掛品や完成品の金額を算定する問題でした。工程別総合原価計算の典型的な問題といってよいと思います。正常仕損費(第1工程は途中発生、第2工程は終点発生)の負担関係、正常仕損品の処分価額(完成品全体から差し引く)の処理に難しさがありますが、受験者は何度も学習している内容であると思われます。よって、20点を獲得して欲しい問題でした。

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