「所得税法1級」をご購入いただき独学をされている方から、
雑損控除に関する練習問題の解答について質問をいただきました。
解答の誤りというわけではないのですが、
本書の説明が少し不足していたかもしれません。
そこで、この場で説明(監修者筆)をさせていただきます。
Q.雑損控除の算出金額の問題
P.60の第10問では、火災による損害に関し、
被災直前の「原価」-被災直後の価額 という計算になっていますが、
P.63の第13問の、雑損控除に関わる計算に関しては、
被災直前の「価額」-被災直後の価額 という計算式になっています。
A.まず、雑損控除における差引損害金額を計算する上での損害金額については、
原則的には、被害直前の価額=直前の時価により計算します。
ただし、現金などではなく減価償却資産である場合には、
「取得価額-減価償却累計額相当額」によって計算した金額を
損害金額として用いることが認められています。
そこで、納税者有利の考え、「原価」と「価額」で、
いずれか多い金額を損害金額として採用しています。
<参考>国税庁タックスアンサー
No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm
「原価」という表現は、今回の第13問が第102回の総合問題を参考に作られており、
その問題でこういった表現がとられているため、そのまま活用しています。
以上