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《検定雑感》第153回日商簿記3級

今回の問題は一部に難しい表現がありましたが、難易度は中程度で比較的平易なものが多かったように思われます。
本年度から出題区分が改定され、毎回新しい問題がいくつか出題されますが、難易度はそれほど高くありませんでした。受験者の多くは新区分の学習も進んで、むしろ得点源だったかもしれません。その他の出題についても勘定記入の出題は少し難易度が高かったように思いますが、普段学習している基本からかけ離れていませんでしたから、確実に得点を伸ばせたのではないでしょうか。期待を裏切ることは無かった出題内容であったといってよいでしょう。自分を信じて基本の学習をおろそかにしなかった受験者には吉報が届くはずです。全体の合格率は50%前後くらいになるのではないかと予想します。
3級は、第1問、第3問、第5問で8割以上を獲得できる学習を心がけないと合格に結びつきません。第2問、第4問に惑わされないことも重要です。

【第1問】仕訳問題です。新傾向として証ひょうから仕訳を推定する問題が出題されました。固定資産の取得時の配送料や、据付費の支出額を固定資産の取得原価に含めたかがポイントでした。他は過去に出題された問題と同レベルの内容でした。取引文から正しい勘定科目が選択できたかがポイントになります。従業員の社会保険料の会社負担分の科目、先方負担の発送費の科目(問題文に指示あり)などでした。また、借入金の正しい利息の計算も求められました。処理方法は問題文に丁寧に書かれていましたので、よく読んで解答していれば4つ以上の正解を得たのではないでしょうか。
【第2問】受験生が苦手にしている勘定記入の問題でした。受取家賃の物件が2件あったことと、家賃額の変更で決算整理に戸惑ったようです。この種の問題は、各物件を日付順に丁寧に仕訳をして、転記をすれば正答にたどり着きます。ただし、決算整理の処理方法を知っていることが前提です。再振替仕訳・転記、期中仕訳・転記、決算整理仕訳・転記、この流れが理解できていた人は得点源でした。苦手な人でも4点は欲しいところでした。
【第3問】残高試算表の作成問題でした。出題形式は前月末残高試算表に一日一取引の月中取引を加算・減算して残高試算表を作成する問題でした。新基準からは電子記録債権の発生・決済記録、法人税の中間納付、臨時株主総会による剰余金の配当が出題されました。ボリュームが若干多めでしたから素早い対応が求められました。前回同様、残高試算表の作成問題でしたので、合計試算表を作成してしまったというミスがなかったか少し心配です。後は集計ミスに気を付けていれば満足できる点数を獲得したと思われます。
【第4問】移動平均法による商品有高帳の作成と各種金額の算定問題でした。売上返品が含まれていましたので、正しい記入ができたかがポイントです。問題文に「受入欄に記入」とありましたので、受入欄に27日の払出単価で記入すれば正解でした。最近は売上返品があるものがよく出題されています。各種金額は、純売上高から売上返品額を差し引くことを忘れてはけません。
【第5問】精算表の作成問題でした。決算整理事項等には売掛金回収の未記帳、仮払金の整理、現金過不足の整理、減価償却費の月割計上、借り入れ条件からの未払利息の計上、新基準から当座預金の貸方残高の整理等、当座預金の貸方残高の整理以外は、過去のレベルと同レベルでした。精算表の作成は受験者の得意とするところでしたから、満足できる結果だったのではないでしょうか。

弊社刊行の「直前模試」で学習された受験者は、手ごたえを感じて試験を終えたのではないでしょうか。
合格点を得るためには簿記の原理、簿記の基本を重視した学習を心がけることが正しいことを毎回実感しております。弊社が刊行している「直前模試」の構成や作成意図が、検定の出題趣旨に合致していることを再確認した本試験でもありました。
企業を取り巻く環境の変化によって、会計も日々変化していきます。そんな、時代の変化にも十分に対応可能な「直前模試」をこれから受験や学習を考えている皆様に提供していきたいと考えております。

《検定雑感》第153回日商簿記2級

「ここまでやるのか連結会計!」――今回の2級はこの文言に尽きると思います。
今回の検定試験問題は「連結会計」を除き基本事項を確実に押えていれば十分対応可能な内容でした。難しい問題に振り回されることなく基本事項を確実に身につける学習が重要であることを改めて思い知らされました。難問に固執することなく分かる問題を確実に得点することが、合格には欠かせません。これから受験を考えている人は、連結会計に関しては商企業の資本と投資の相殺、連結、連結会社間取引の相殺、債権債務の相殺、商品と土地の未実現利益の消去を確実に押えることが肝要かと思われます。
今回の試験は第1問、第2問、第4問、第5問でいかに高得点を得るかが合否の分かれ目でした。別のいい方をすれば80点満点の試験であったといってもよいでしょう。
第1問16点、第2問16点、第4問20点、第5問20点、合計72点で合格という試験だったのではないでしょうか。

<総論>
第1問の仕訳問題は、比較的基本的な内容であったと思います。新区分の論点として、圧縮記帳、電子記録債権の譲渡が出題されました。また、圧縮記帳後の減価償却方法に200%定率法、直接法による処理が問われました。問題文をよく読んで解答すれば特に問題はなかったと思います。4つは出来て欲しかった内容です。
第2問は文章題の出題でしたが、普段簿記処理で目にしている内容でしたから、日ごろの学習をしっかりこなしていれば高得点を獲得できる問題でした。これら文章題は日頃の簿記処理の基本を押さえておけば、特に対策を立てる必要はないと考えます。
第3問は連結会計の精算表作成の問題でした。ほとんどの受験者がお手上げ状態になったのではないでしょうか。前回の連結を参考に対策を立てた受験者の中には、時間を無駄に過ごしたと感じた人も多かったでしょう(無駄にはなりません、必ず将来役に立ちます)。その論点は製造業の連結であったため、連結企業集団の取引が複雑に絡んでいること、未実現利益の除去が複雑であったこと、債権債務の金額が不一致になっていること、手形の裏書や割引があること等、1級のレベルと思われるような内容が盛りだくさんの出題でした。今回は制限時間内で解答欄を埋める努力をするしかありませんでした。6点取れればよいところだと思います。
第4問は本社工場会計の仕訳問題でした。取引は難しくありませんでしたから、工場に設定されている勘定科目を確実に押えて仕訳をすれば満点が可能でした。
第5問は組別総合原価計算の原価計算表と損益計算書の一部を作成する問題でした。仕損も減損もない単純な内容でした。加工費を組別に按分する計算を誤らなければ、第4問同様満点が可能であったと思います。損益計算書の一部を算定するのに多少時間がかかる問題でしたが、持ち時間で十分解答可能でした。

<各論>
【第1問】仕訳問題の問題1.2.4は正解して欲しい内容でした。1は業務委託費を研究開発費に含めること、3.は200%定率法の直接法であること、5.は配当に伴う利益準備金の積立限度額の算定、これらに注意がいけば4つは正解できたはずです。
【第2問】文章題でカッコの中に語群から最も適当なものを選ぶ問題でしたが、一部金額の算定がありました。税金の種類と内容、収益の認識基準、合併の処理、有価証券の種類と処理に関する問題でした。普段会計処理として目にしている内容でしたから、8割は獲得しないといけなかったと思います。文章題は日頃の会計処理をしっかり学習することで対応可能です。
【第3問】連結会計でしたが、受験者にとっては難問でした。受験指導機関でもここまで予想は出来なかったと思われます。受験者は、最後まで諦めずに、投資と資本の相殺消去、連結会社間の取引と債権債務の相殺消去の分かるところだけでも答案用紙を埋める努力が必要でした。それだけでも埋まっていれば6~8点は獲得できたはずです。今後製造業の未実現利益の除去、手形の裏書・割引を率先して学習する必要があるのか疑問が残ります。
【第4問】本社工場会計の仕訳の出題でした。本社工場会計で問題になるのは原材料や製品のやり取り、現金などの支払関係等本社と工場の境目にある取引です。特に難しい取引はありませんでしたから、工場に設定されている勘定科目を確実に押えて解答すれば、満点が獲得できる内容でした。
【第5問】組別総合原価計算の℉原価計算表の作成と損益計算書の一部作成の出題でした。総合原価計算では仕損や減損の処理が問われますが、本問はこれらがありませんでした。加工費の按分計算が正確にできればあとは転がし計算をするだけなので、第4問同様満点が狙える問題でした。損益計算書の一部も求められているため、計算量が増えるので迅速な対応が必要でした。

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 全経簿記1級商簿・会計直前模試(2019年11月検定対応)
 全経簿記1級原計・工簿直前模試(2019年11月検定対応)
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