社長より

「所得税法1級」雑損控除の件で

「所得税法1級」をご購入いただき独学をされている方から、
雑損控除に関する練習問題の解答について質問をいただきました。
解答の誤りというわけではないのですが、
本書の説明が少し不足していたかもしれません。
そこで、この場で説明(監修者筆)をさせていただきます。

Q.雑損控除の算出金額の問題
P.60の第10問では、火災による損害に関し、
被災直前の「原価」-被災直後の価額 という計算になっていますが、
P.63の第13問の、雑損控除に関わる計算に関しては、
被災直前の「価額」-被災直後の価額 という計算式になっています。

A.まず、雑損控除における差引損害金額を計算する上での損害金額については、
原則的には、被害直前の価額=直前の時価により計算します。
ただし、現金などではなく減価償却資産である場合には、
「取得価額-減価償却累計額相当額」によって計算した金額を
損害金額として用いることが認められています。
そこで、納税者有利の考え、「原価」と「価額」で、
いずれか多い金額を損害金額として採用しています。

<参考>国税庁タックスアンサー
No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm

「原価」という表現は、今回の第13問が第102回の総合問題を参考に作られており、
その問題でこういった表現がとられているため、そのまま活用しています。

以上

伝票ホルダー<最終回>

また今日も伝票ホルダーの話で恐縮です。
それだけ伝票ホルダーに『想いを込めている』てことでご容赦ください。

販売を開始してポツポツとご注文をいただいております。
新年度が始まってから半年過ぎ、
正直、
大変お待たせしてしまった申し訳なさよりも、
漸く届けられた安堵感の方がまさっています。

実は2年くらい前から、
右手用については早晩、販売が継続できなくなる時が来るだろうと
何となく考えておりました。
それは、販売個数が減ったきたことと製造原価の上昇により、
利益が出なくなってきたためです。
ご採用いただいている先生方にご発注の見込みや値上げのことで
何度もヒアリングをさせていただきました。
(その節にはお世話になりました。)

そんなこんなで、別の形や素材で新しく作れないか
デザイナーさんとも何度か打合せをしておりました。
ただ、斬新なアイデアが生み出されずに、
「何かいいアイデアないかな」と何となく時間が過ぎてしまいました。
そこに降って湧いた工場からの「もう作れません」宣言。
今年の3月以降は、今までの形でどう継続するかで頭を悩ます半年間でした。

弊社のマーケティングの状況からは、
右手用の販売見込み数は年間500個です。
商売としてはまったく旨みはありません。
本当はこのまま販売終了にしようと何度も思いました。
しかし、たぶん一般の生徒さんよりも部活の生徒さんが使うんだろうなあ、
競技会で勝ちたいと思っているんだろうなあなどと慮るうちに、
出来れば作って届けたいなという想いに駆られるようになりました。
なぜなら、弊社の社訓は Hospitality for someone ですから。

新商品はMDFという素材で制作することになりましたが、
天然ゴムと違い、なかなか量産が出来ません。
職人さんが一つ一つ、丁寧に切り出してくれています。
それを生徒さんの負担にならないよう格安で引き受けてくださいました。
先方もご商売ですので、本来であればあまり値切るようなことはしたくないのですが、
私どもの想いに応えてくださいました。
その代わりに、お手すきのお時間のある時を見計らって作ってくださることになりました。
なかなか、弊社の都合で製造していただくことが難しいことを
お客様にもご理解いただければ幸いです。

右手めくり用のホルダーの発売開始にあたり、
お待ちいただいておりましたお客様にご連絡をさせていただいております。
「素材が変わったから実物を見て検討したいので見本を送ってください」
というお声もいただいております。
しかし、在庫が限られている商品ですので、見本に消費してしまうよりも
「すぐに使いたい」というお客様のお声に応えたいと考えております。
よって、見本提供はいたしかねますこと、ご了承ください。

今回、まったく儲からない商品に時間とコストを費やしたことは
商売的に言えば反省すべきことかもしれません。
しかし、ここまでの道のりの中で、自分たちは何のために仕事をしているのかを
あらためて考える時間を多く持てました。
その意味では必要な時間だったなと思っています。

弊社の商品にはすべて私どもの想いが込められています。
これからも想いの込められる商品を開発して参りたいと思いますし、
その想いをお客様と共有できたらいいなと思っています。

伝票ホルダー<右手めくり用>の生産を開始します。

伝票ホルダー<右手めくり用>が販売できなくなって早6か月。
いくつかの工場にあたってみたものの、
材料の高騰の他に金型の補修も必要と言われてしまい、
諸々含めて金額を算出してみると
販売単価は1,500円を超えてしまう。
何校かにヒアリングしてみたけれど、
「とてもじゃないけど生徒に買わせられないよ」
とのこと。

「もう、無理かもな」。

ほとんど諦めかけていました。
とその時、
「あ、素材変えてみたらどうだろう?」

今までゴムやシリコンなどに拘りすぎていて、
それ以外の素材のことまで気が回りませんでした。

紙かな、ベニヤ板かな、他にないかな。

型を作るとなるとイニシャルコストがかさむから、
なるべく型を作らなくて済む(もしくは型代がすごく安い)素材を、
ネットで探しまくりました。

そこで辿りついたのが、
MDF(medium density fiberboard/中密度繊維板)です。
木質繊維を原料とする成型板です。
100均でもB5くらいのクリップボードが売ってますよね。
あの素材です。

ある意味木材ですので、
金型で抜くのではなく必要な形に切り出すことになります。
では、それにはいくらかかるのだろう。
またネットで探しまくりました。

私の出会った会社は埼玉県三芳町にある会社です。
事情をメールで送り何度かやり取りし、
先方にもお伺いし打合せをさせていただいて、
漸くマット部分の試作品が完成しました。

次はクリップなどの金具です。
これは、左手めくり用を製造されている仙台の会社を訪ねました。
マット部分さえ用意すれば、金具類は提供していただけると
快くご承諾いただけました。

早速、MDF製のマットをお送りし完成した伝票ホルダーが
こちらです。

伝票を挟んでも、ほとんど違和感はありません。

「伝票ホルダーはゴム製だろ!」
というお声もあるでしょう。

でも、これはこれでそれっぽいというか、
これでなければ製品化が出来ないということで、
ご容赦いただければうれしいです。

MDF製伝票ホルダー<右手めくり用>の量産開始を高らかに宣言いたします。

工場からの入荷日はまだ確定しておりませんが、
10月頃にはみなさまのお手元にお届けできます。
あと少しだけお待ちください。

伝票ホルダー

伝票ホルダー(右手めくり用)の件で製造工場と打合せでした。

伝票ホルダーはかつては珠算検定、今では電卓検定の「伝票算」において
欠かせないものと個人的に思っています。
「これを使用せずに伝票がめくれるか」と叫びたくなるくらい。

珠算では、伝票算は「左手でめくるもの」です。
なぜなら、そろばんは必ず「右手ではじく(操作する)」からです。
右手でめくりながら、右手でそろばんをはじくことは出来ません。

しかし、電卓は必ずしも「右手で操作する」とは限りません。
いや、もしかしたら「左手で操作する」人の方が多いかもしれません。
左手で電卓を操作する人は、伝票は右手でめくりたくなりますよね。
そのためこの業界には、伝票を右手でめくるための環境が整っています。
珠算では考えられない「右手めくり用」の伝票ホルダーが存在するのです。

弊社では、お客様からの強い要望を受け、
かれこれ25年ほど前から右手めくり用の伝票ホルダーを製造・販売してきました。
しかし、検定人口の減少に伴う製造数量の減少や、
昨今のゴム価格の高騰などから、
1個あたりの製造単価もずいぶん上がってしまいました。
ついには、昨年までお願いしていた製造工場から
「もう出来ません」と言われてしまいました。

そう宣言されてから、早3ヶ月。
いつくかの工場に打診し見積りをとるも、
やはり価格で折り合えません。

今日訪問した会社さんで無理ならば…。