《検定雑感》191回全経1級商業簿記・会計学

第1問 理論問題
これまでほとんど出題のなかった、損益計算書の本質、貸借対照表の記載内容、項目の配列、資産の評価等が問われました。予想を立てるのは困難であったと思います。企業会計原則全般を学習しなければ高得点が得られなくなっています。
理論問題の範囲は広範囲であるため、これまでほとんど出題のなかった論点も含めて学習することが合格のために得策なのかを考える必要があります。「全経簿記1級商簿・会計直前模試」(以下「直前模試」)には企業会計原則と他の会計基準と合致している論点を載せるべきであろうと思います。また、企業会計原則の暗記に費やす時間を他の問題に振り向け、合格点を突破する方が効率は良いと考えます。

第2問 仕訳問題
1級の範囲として重要な論点を中心に出題されています。出題範囲改定後の論点として固定資産の減損処理が問われていました。過去出題傾向をしっかり押さえておけば高得点が可能でした。

第3問 株主資本等計算書の金額算定
問1 株主資本等変動計算書の内容は、期首繰越利益剰余金の額(期首残高を推定)と利益準備金の積立額(配当金の10分の1の積立ではない)に気を付けなくてはいけませんでした。他は特に複雑なものはありませんでしたので、(  )の金額を慌てずに埋めていけば高得点が可能でした。今後もこのような難解な問題が前提になるのか、これからの出題傾向を冷静にみていきたいと思います。時期を見て必要な情報を提供する予定です。
問2 「自己資本を期首と期末の平均値とする。」とありますので、その点に気を付ければ正解が導けたと思われます。

第4問 連結精算表
連結精算表の作成は、評価差額の計上、資本と投資の相殺が理解できていれば高得点が可能でした。また、過去に出題されている問題と類似していましたので、過去問を学習した受験者には得点源でした。

第5問 財務諸表の作成
論点は、過去出題問題とほとんど同じでしたが、ソフトウェアの手付金の処理(ソフトウェア仮勘定で処理)、生産高比例法による減価償却費の計上が新たな論点として出題されていました。少しずつ新しい論点が追加されています。
ソフトウェアに関する処理は実務でも多くみられる論点であることから、弊社の「直前模試」に織り込みたいと考えています。また、生産高比例法についても定額法や定率法と同様、減価償却方法として広く論じられていることから、「直前模試」に織り込みたいと考えています。

■11月検定対応の「全経簿記1級商簿・会計直前模試」は、9月1日発行予定です。
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