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[Vol.4]高校生や専門学校生にこそ身に着けてほしい~ビジネスマナーの話~

英光社は、学校や企業が団体で受験できる「ビジネスマナー検定試験」の実施に関わり、対策問題集やテキストを出版している。

[仕掛けたのはこの人]新井猛彦氏

父である先代の跡を継ぎ、株式会社英光社の代表取締役を務めながら、四六時中、誰もが楽しく学べる「仕掛け」を考えている新井氏。インタビューはこちら→
今回は、実際に社会へ出る前に、実践できるビジネスマナーを身に着けておくことの重要性を語ってくれた。

「ビジネスマナー」をキャリア教育のスタートに

「ビジネスマナー」と聞くと、一般的に、新入社員が入社後に研修を受けて学ぶものというイメージが強い。しかし、新井氏はもっと早くから身につけるべきだと言う。
「高校生や専門学校生には、ビジネスマナーはまだ早いという方が多い。でも、これはむしろキャリア教育のスタート時に、しっかり学ぶべきことじゃないかと思います。」
現在、教育現場ではキャリア教育の一環として、中学生から職場体験を実施している。高校生では、それがさらにインターンシップ制度へと発展し、より実践的な内容を体験する。
事前にビジネスマナーを学んでおけば、その知識をインターンシップの中で実践できる。高校生のうちから座学と実技を両方体験しておくことで、社会へ出たときに対応しやすくなると思うんです。」
現在の日本では、新入社員を集めてビジネスマナーの研修を行う余裕があるのは、ほんの一握りの企業にすぎない。商工会議所主催のセミナーなどを活用する手もあるが、新人のマナー教育に時間を割いている暇がないというのが本音である。
「入社してから教える暇がないのだから、高校の学習ですでに身についている人材は貴重なわけです。ということは、就職活動の際も有利になる可能性がありますよね。」

まずは先生方が「ビジネスマナー」の実技を学ぶべき

聞けば聞くほど、「ビジネスマナー」の学習は早く始めたほうがよい気がしてくる。なのに、高校や専門学校であまり取り組まれていないのはなぜだろう?
「原因として、高校や専門学校の先生方に『ビジネスマナー』の重要性があまり浸透していないことが挙げられます。」
多くの先生方は、大学卒業後、教師という立場で社会人生活をスタートしている。もちろん、教育現場にもマナーは存在するが、企業に就職した際に求められるごく一般的な「ビジネスマナー」について、体験したことがある人は少ない。
「先生方は“教えるプロ”。テキストがあれば経験がなくても指導はできます。しかし、『ビジネスマナー』は実践できてはじめて役に立つものです。先生方自身が実践できないと、実技の指導が難しいということになります。」
先進的な私立高校の中には、すでにこの問題に取り組みはじめている学校もある。
「依頼を受けて、とある私立高校の先生方を対象に『ビジネスマナー』の研修を行いました。若い先生だけでなく、ベテランの先生方まで全員に参加していただき、名刺交換やお客さまへのお茶の出し方など、基本的なことを中心に実技を行ったのです。」
結果、動作がぎこちない人が続出。スムーズにできた先生はほとんどいなかった。
「ベテランの先生はとても恥ずかしそうにしていました。しかし、この学校のように、その恥ずかしさを乗り越えて現実に向き合ってほしいですね。現状、『ビジネスマナー』の講習会を企画しても、積極的に参加しようという学校は多くはありません。でも、生徒たちが社会へ出ていって、すぐに実践しなくてはいけないスキルですから、十分な指導をしてほしい。先生方にもぜひ勉強してほしいと思います。」

「『ビジネスマナー』を含めたキャリア教育が離職率を下げる糸口になれば」

せっかく就職した若者の離職率が高いことを、新井氏は憂いている。
「離職する本人も傷ついてきただろうし、採用した企業も痛手を負う。どちらも不幸なわけですよね。キャリア教育がもっと充実すれば、働く側と企業のアンマッチングをもう少し防げるのではないでしょうか。キャリア教育の段階で、子どもたちに働くとはどういうことかを深く考える機会を与えたい。そのためにも、学校の中で『ビジネスマナー』を指導することは重要だと思います。授業を通して、どんどん『社会人ごっこ』を経験してほしい。本当に社会人になってからじゃ『ごっこ』はできないですから。授業の中で社会人気分を味わえば、働くことにもっと関心を持ち、他人事でなく自分のこととして捉えられるようになると思います。『うちは就職よりも進学する生徒のほうが多いから……』という学校もありますが、いつかはみんな就職を希望するときがくる。だったら、『ビジネスマナー』の指導が早すぎるなんてことはありません。今後は高校や専門学校でも、『ビジネスマナー』の学習に積極的に取り組んでいってほしいですね。」

  • 今回は、「ビジネスマナー」は社会へ出る前にこそ学んでおくべきだよ、というお話でした。
    事前にある程度「ビジネスマナー」の勉強をしてから職場体験へ行ったら、学んだことを実践できるし、ただ漠然と体験するだけじゃないから充実しそう。うまくできなかったらできなかったで、そこで学べばいいんだし。うんうん、とてもいい経験になりそう!
    英光社は、教育現場に出入りが多く、長年現場の声を聞いてきました。そして、学ぶ側、教える側、両方を支える“仕掛け”を常に考えています。
    ビジネスマナーの実践の指導に自信がないという先生方を全力でサポートしますので、ぜひ弊社が主催する講習会を活用してみてくださいね!

  • チキン犬(英光社イメージキャラ)