検定雑感

日商簿記検定2級受験上の注意点 1

【課税所得の取り扱いについて】
平成27年4月24日発表の「商工会議所簿記検定試験出題区分表の改訂等について」に次のような表記があります。
『…税効果会計が2級以上での出題となったことと整合性を保つためには、課税所得の算定方法すなわち、税引前当期純利益と課税所得が異なることをある程度理解しておくことは不可欠である。そのため「区分表」に明記したものであるが、適用時期については、税効果会計が平成30年4月に適用されるに先立ち、まず課税所得算定に関する基礎的な概念を定着させる必要があるので、テキスト・問題集などの教材が整備されるのを待って1年先送りした平成29年4月1日であることに留意すること。』
このことから、第1問の仕訳問題は当然のことながら、第3問の総合問題においても法人税等の算定で課税所得という聞き慣れない用語が登場する可能性が考えられます。
そこで、当社刊「日商簿記2級直前模試 147回検定対応」を参考に、仕訳問題や総合問題の出題に対応できるように準備しておいてください。
1.課税所得の具体的な計算と税額の算定する問題は、第1回、第1問4の仕訳問題を参照してください。
2.第3問の総合問題への出題は、第6回、第3問を参照してください。

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【訂正】第185回全経簿記検定に向けて

※先に公開しました内容に一部誤りがありました。ここにお詫びして訂正させていただきます。

全経簿記検定試験は、第186回検定(2017年5月)より新試験規則により実施されることが正式にアナウンスされました。その移行にともない、2月19日に実施されます第185回2級試験におきまして、五伝票制と特殊仕訳帳は出題されない模様です。

① 計算問題
期首・期末貸借対照表と各元帳から売上総利益などの金額を推定する出題形式(最近の出題傾向)と、従来からの形式がバランスよく出題される模様。
② 伝票問題
【削除】五伝票制(1級に移行)
第184回検定から三伝票制の出題となっており、第185回検定も同様と思われる。
③ 帳簿記入
【削除】特殊仕訳帳
第184回検定では仕入帳と売上帳より元帳に記入させる問題が出題されたが、新試験規則では商品有高帳(移動平均法)の出題が予告されている。従来より商品有高帳は2級の範囲であるため、第185回検定での出題も十分考えられる。
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★補充問題を準備中です。「必ず出題される」とは言い切れませんので、各自のご判断で検定対策にお役立てください。

日商簿記検定2級-次の145回検定で合格するために-

11月20日に第144回日商簿記検定が終了しました。受験者の皆様お疲れ様でした。
難しかったという人、簡単だったという人さまざまだとは思いますが、ここで試験問題の印象や今後の勉強方法について書いてみようと思います。

1.試験問題の印象
第1問 仕訳問題
かつては、5問中4問は得点可能な出題内容であったように思われますが、区分表の改定が発表されてからは3問正解するのが精いっぱいという出題が続いています。今回も同様でした。その理由としては、取引文章から過去にどのような処理を行ったかが読みにくくなっていること、勘定科目の選択に迷う取引であること、取引文章が難解であることがあげられます。

第2問 各種取引問題
今回の出題は商品売買取引でしたが、問題を見た瞬間に頭の中が真っ白になった受験者も多かったのではないでしょうか。
有名な受験指導校でさえ予想困難な出題内容・形式でした。偏った受験対策では通用しないという点では良い傾向ですが、高得点を得られないという点では受験者泣かせの出題でした。
実は「継続記録法」と「販売のつど売上原価勘定に振り替える方法」とは密接な関係にあります。本問のように「先入先出法」によれば販売のつどその払出原価が明らかになるわけですから「販売のつど売上原価に振り替える方法」が妥当な処理方法であるといえます。今回はそこの理解を問うための出題であったわけです。基礎では誰もが通過している論点だったのです。

第3問 決算総合問題
今回は多くの受験者が得意とする精算表の作成問題でした。
決算整理事項には特に難解なものは見当たりません。ボリュームもそれほどとは思えませんので、高得点が狙える出題であったと思われます。

第4問 材料費会計(過去122回出題と類似)
費目別、仕掛品の勘定体系がしっかり理解できていれば高得点が狙える出題であったと思われます。

第5問 単純総合原価計算
材料追加投入の生産数量の算定、仕損品の負担関係が理解できているかが高得点を得るためのカギであったと思われます。

2.今後の勉強方法
今のままの傾向が続くとすれば、工業簿記(第4問・第5問)と第3問で50点以上を獲得する必要があります。そのうえで第1問で12点以上、第2問で10点以上を獲得して合格点突破です。

第1問
基礎をおろそかにしないことが大切です。そのうえで問題集や過去問を解いて「言い回し」に慣れることが必要です。3問以上の正解を目指しましょう。

第2問
パターン化した対策問題にとらわれすぎた学習は避けるべきです。原点に返り、処理と手続きを確実に抑えることです。
太刀打ちできないという難解な論点を出題しているわけではありません。同様の論点を複数からめたり、ボリュームを豊かにしたりと時間がかかる問題になっているだけです。よって、時間配分に気をつけて練習することが大切になります。10点狙いでよいと思います。また、スピードアップのため日頃からボリュームの多い問題にも接しておくことが必要です。

第3問
第2問同様パターン化した対策問題では対応できません。内容は第2問とのバランスで難しくなったり、やさしくなったりしているようです。よって、第2問とのバランスで時間配分を考える必要があります。内容は問題文章を読めばどう処理すればよいかヒントがあります。個別的な論点を確実に身につけることはもちろん、スピードアップのため、日頃からボリュームの多い問題にも接しておくことが必要です。

第4問、第5問
満点を狙って学習する必要があるかもしれません。頭の中が真っ白になるような出題は考えにくいので、これまでのように勘定体系を意識し、基本を確実に抑えることが大切です。

すべてにいえることは、予想問題に振り回されず、どのような形式にも動揺しないために基本を確実に抑えること、ボリュームの多い問題を数多く解いてスピードアップを図ることが大切です。
上記を考慮して作成した当社の『日商簿記2級直前もし』は、出題区分表に忠実に、また、どのような角度からの出題にも対応できるよう、解説に〈参考〉として注意すべき論点を展開しています。本文の「問題が解けたから終わり」ではなく、解説を熟読することで、今以上の応用力が身につくものと確信しております。次回検定対策として是非ご活用ください。

日商簿記2級直前模試【145回検定対応】
上記を考慮して改訂いたしました。今年度からの改正点と過去の出題傾向を考慮して作問した本試験形式模擬試験を8回収録しています。
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第183回全経簿記検定が施行されました。

春に新出題範囲がいったん発表され、結果1年先送りされましたが、
今年度の出題にどのような変化があるのか、
注目されていた方も多いと思います。

もちろん、出題範囲改定に伴う変更はないはずですが、
春に行われた「新出題範囲説明会」(主催者実施)では、
出題範囲の変更を伴わない新傾向もあわせて発表されたようです。
例えば、
・3級:商品有高帳を締め切らせる出題
・3級:計算問題をTフォームで出題(2級は既出)
・2級:伝票は3伝票制で出題
などです。

これらは今年度すぐに出題される可能性は低いとみていましたが、
今回3級において、商品有高帳を締め切らせる出題がありました。
内容的に難易度が高いわけではありませんが、
3級ということで戸惑った受験者もいたことでしょう。

弊社の問題集でも、商品有高帳について締め切らせる問題は掲載していませんでした。
11月検定に向けての改訂の際に、対応していきたいと思います。

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日商簿記検定2級-次の144回検定で合格するために-

最近の合格率は驚くことに15%を割り込む低い数値で推移しています。難しいから受験は控えるという声があちこちから聞こえてきます。とはいえ、企業が求める取得して欲しい資格検定のトップを維持していますから、諦めるわけにはいきません。
そこで、特に難しくなったといわれる商業簿記に関して以前と内容がどう変わってきたのか、合格するためには何が必要なのかを考えてみます。

1.最近の出題傾向
【第1問】
仕訳問題に関しては、言い回しが難解なもの、内容が実務的なものが随所にみられるようになっています。
【第2問】
どんな問題が出題されるか予想するのが困難です。帳簿組織と特殊商品販売は範囲外とされましたが、現金預金、固定資産、有価証券、株主資本変動計算書等の勘定記入、帳票作成や金額算定が、複雑な内容と豊富なボリュームで出題されるようになっています。
【第3問】
決算総合問題に関しては、月次決算の利用、実務的な処理方法、複雑な商品計算等がふんだんに組み込まれた、難解でボリューム豊富な財務諸表の作成問題が出題されるようになっています。

2.合格点するために
【第1問】
実務的な内容(初めて見る内容)には必ず取引文章にヒントがあります。難解な言い回しには日頃から文章を丁寧に読む癖をつけておくことが大切です。つまり文章から必要な勘定科目と金額を引き出す能力を身につける練習を積むことです。
【第2問】
パターン化した対策問題にとらわれすぎた学習は避けるべきです。何より原点に返り、処理と手続きを確実に抑えることです。例えば、固定資産であれば取得時の仕訳と勘定記入、決算時の手続き、売却・処分時の処理という流れを確実に抑えることです。本試験ではこの手続きを複数の固定資産を対象に設問しています。有価証券も同様です。ボリュームも豊富になるわけです。
そこで、例えば固定資産を学習するときには、異なった処理や手続き(例えば定額法と定率法、直接法と間接法等)を意識しながら問題に取り組むことが大切です。つまり一つひとつ積み重ねればよいのです。そのためには、少し難しいと思われるような問題を多く解くことも大切です。
また、スピードアップのため、日頃からボリュームの多い問題にも接しておくことが必要です。
【第3問】
第2問同様パターン化した対策問題では対応できません。しかし、内容は難しくボリュームも豊富ですが、問題文章を読めばどう処理すればよいかヒントがあります。個別的な論点を確実に身につけることはもちろん、スピードアップのため、日頃からボリュームの多い問題にも接しておくことが必要です。

すべてにいえることは、どのような形式にも動揺しないために基本を確実に抑えること、ボリュームの多い問題を数多く解いてスピードアップを図ることが重要です。

日商簿記2級直前模試【144回検定対応】
上記を考慮して改訂いたしました。今年度からの改正点と過去の出題傾向を考慮して作問した本試験形式模擬試験を8回収録しています。
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日商簿記検定3級-次の144回検定で合格するためにー

日商簿記検定3級は、以前に比べて合格が厳しくなったといわれています。最近の合格率は25%前後の低い数値で推移しています。以前の合格率30~50%のときと比べて、内容がこのように変わっています。
【第1問】
仕訳問題に関しては、実務的な内容が随所にみられるようになっています。
【第3問】
試算表の作成問題に関しては、集計に時間がかかるもの(当座借越の2勘定制、豊富なボリューム)や金額を推定させるもの等、難易度がかなり上がっています。
【第5問】
決算総合問題に関しては、財務諸表の作成が連続して出題されるようになっています。

では、合格するためには、どのような点に注意すればよいでしょうか。
【第1問】
実務的な内容(初めて見る内容)には必ず取引文章にヒントがあります。日頃から文章を丁寧に読む癖をつけておくことが大切です。つまり文章から必要な勘定科目と金額を引き出す能力を身につける練習を積むことです。
【第3問】
パターン化した対策問題にとらわれすぎた学習は避けるべきです。何より試算表の作成手順をよく知ることが大切です。
試算表は、取引→仕訳帳への記入→総勘定元帳への転記→試算表の作成の手順で出来上がりますが、どこから聞かれても試算表が作成できなければいけません。また、→を逆にしても解けるように対策しておく必要があります。つまり、どの角度から聞かれても解けるようにしておくことが大切なのです。
また、日頃からボリュームの多い問題にも接しておくことが必要です。
【第5問】
受験者の多くが財務諸表作成問題を苦手にしているようです。決算総合問題には、精算表の作成、損益勘定と繰越試算表の記入、財務諸表の作成の3つが含まれます。「やまかけ」をするのではなく、すべてが出題される前提で学習すべきです。

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上記を考慮して改訂いたしました。今年度からの改正点と過去の出題傾向を考慮して作問した本試験形式模擬試験を8回収録しています。
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