トピックス

《検定雑感》第196回全経簿記検定2級・3級

【2級商業簿記】
これまでの出題で出題形式や内容はほぼ確定してきたようですが、今後、出題形式のパターン変更の有無、区分表にある未出題の論点がどのように出題されるか不透明なところがあります。今後の出題状況を見て「完全分類全経簿記2級商簿」「全経簿記検定試験PAST2級商簿」の手直しを加えていく予定でいます。

第1問 仕訳問題
定期的に出題されている外貨預金、有形固定資産の取得、増資、当期純損失の振替、経過勘定項目の再振替仕訳、法人税等の納付等重要な論点が出題されました。出題区分表に示されている範囲では、賞与引当金、他店商品券、収益・費用項目の一部の出題がまだありません。これらはどのような形で出題されるのか分かりませんが、新しい情報が入手できしだい提供する予定でいます。

第2問 計算問題
新傾向の形式と従来からの形式の問題がバランスよく出題されています。今回は新形式である期首・期末の貸借対照表と各種元帳から、期首資本金、期末繰越利益剰余金、当期純利益、売上総利益の金額を算定する問題でした。計算問題は、貸借対照表と各元帳の関係を知ることが重要です。類似の問題が「PAST」や「完全分類」に出題していますから、本書の学習で十分対応可能でした。

第3問 帳簿記入問題
売上帳と仕入帳の記入面から、商品販売益の金額の算定問題と商品有高帳の記帳問題でした。仕入返品や売上値引の取り扱いをしっかり押さえておくことが大切です。売上値引は商品の原価に影響しませんので、商品有高帳に記入しないことを確認できたでしょうか。第2問同様「PAST」「完全分類」に同様の問題を出題していますから、本書の学習で十分対応可能でした。

第4問 伝票会計問題
伝票の起票と集計表を作成する問題、伝票記入面から集計表を作成し、勘定口座に記入する問題が多く出題されています。今回は、伝票の起票と仕訳集計表の作成問題でした。取引をメモして該当する伝票に起票して起票面を諸勘定ごとに集計すれば正答が得られる代表的な問題でした。「PAST」「完全分類」に類似の問題を出題していますから、本書の学習で十分対応可能でした。

第5問 決算問題
今回は精算表の作成問題でした。決算整理事項も過去出題の内容と同様でしたので「PAST」「完全分類」の学習で対応が可能な問題でした。
今回も本支店で見られる商品の評価はまだ出題されませんでした。今後の出題を注視してまいります。

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【2級工業簿記】
2級工業簿記は、出題形式にやや変化がみられるものの、難易度的には一定程度を維持しているといってよいでしょう。今回も一部に悩むところはありましたが、全般にこれまでと同等レベルであったと思われます。
弊社では「zbⅡ工業bw(2級工業簿記ワークブック)」を2019年4月に刊行しました。この書籍は工業簿記の体系や手続きの基本を重視した合格に役立つ書籍となっています。
基本を押さえておけば、2級工業簿記は合格点を獲得し易い試験のように思います。これから受験を考えている学習者は、是非、弊社発行のワークブックで合格を勝ち取ってください。

第1問 原価の分類(選択)
原価の分類では、実務色が強くなっている影響で判断が難しいところがありました。できなくても合否にはそれほど影響しないと思われます。

第2問 仕訳問題
仕訳問題は、材料の購入から材料消費、労務費の消費、製造間接費の配賦、製品の完成・引渡までの製造業の一連の流れを問うものでしたから、流れを理解している人は難なく正答を導けたものと思われます。

第3問 総合原価計算
総合原価計算は、月末仕掛品の評価がポイントになりますが、その方法に先入先出法と平均法があります。今回は平均法による計算の出題でした。

第4問 勘定体系
勘定記入は、勘定の流れを理解していない受験者には、正答を導くのに難渋したのではないかと思われます。

第5問 個別原価計算
個別原価計算による原価計算表の作成でした。これまで同様、基本的な内容でしたので高得点が可能でした。
工業簿記2級はパターン学習が可能だからといって、過去問題を暗記するという勉強方法ではいけません。工業簿記の体系や手続きをしっかり理解する勉強方法を採ることが大切でした。
各問題とも弊社発行の「2級工業簿記ワークブック」に、類似問題が多数掲載されていましたので、本書で学習された受験者は余裕で合格点を獲得したのではないでしょうか。

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【3級商業簿記】
3級は押さえるべき論点がある程度固定されたといってよいでしょう。
弊社発行の「全経簿記検定試験PAST3級」「完全分類全経簿記3級商簿」では、下記で示した要点を網羅していますから、本書で学習された受験者は、十分対応できたことでしょう。
試験規則改正後、まだ出題のない論点がありますが、どのような形で本試験に登場するか予想は難しいです。弊社ではこれまでどおり、タイミングよく情報提供をしていきたいと考えております。

第1問 仕訳問題
新区分から売上原価対立法が出題されました。仕訳問題は、会社の設立、消費税の授受、貸倒れ、固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却、純損益の振替等、論点がほぼ固定され、繰り返し出題される安定した内容になっています。ただし、中には久しぶりに出題されるものもあります。

第2問 計算問題
(1)期首・期末の貸借対照表と損益計算書からの金額推定、(2)損益法や財産法の考え方から各金額の推定、(3)損得益計算書の各項目の金額算定(4)期首・期末の資産負債の額と収益費用の額から各金額推定の3~4種類の出題が中心になっています。今回は(2)(3)財産法と損益法による金額算定と損益計算書の各項目の金額を算定する問題でした。

第3問 伝票会計
(1)伝票の記入問題、(2)伝票の記入面から各勘定口座へ転記する問題が出題されます。また、帳簿記入では、補助記入帳と補助元帳の記入問題が出題されます。今回は伝票の記入面から各勘定口座へ転記する伝票会計の問題が出題さました。

第4問 帳簿記入
(1)商品有高帳の記入、(2)取引から売上帳や仕入帳への記入と補助元帳の記入、(3)小口現金出納帳の記入等が中心に出題されています。今回は(3)小口現金出納帳の作成が出題されました。

第5問 精算表
決算整理事項の新論点として消耗品未使用の資産計上、費用の見越し・繰延べ、現金過不足の整理が新論点として出題されています。今回の精算表も同様の内容で出題されました。精算表の出題形式はほぼ固定されたようです。損益計算書や貸借対照表の作成も範囲になっていますので無視できない内容といえます。

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《検定雑感》第196回全経簿記検定1級

【1級商業簿記・会計学】
商業簿記・会計学の出題形式は、毎回変化しています。特に第3問、第4問にこれまでにない論点と形式が登場しています。これから受験を考えている方は、まず弊社の「直前模試」に記載のある問題で基本論点をしっかり身につけて欲しいと思います。新しい論点や形式については、タイミングよく情報発信をしていきます。

第1問 理論問題
企業会計原則第一一般原則と注解から「継続性の原則」の出題でした。一般原則は会計の基本をなす原則ですから、確実に理解しておきたいものです。一般原則は、原則の初めに書かれていますので、多くの受験者は目を通していた内容であるはずです。前回の出題も一般原則でしたから、何とか記憶をたどり半分は得点したいところでした。(弊社刊「直前模試」を学習された受験者は、半分以上の点数を獲得できたのではないでしょうか。)出ないと予想した人には厳しい問題でした。

第2問 仕訳問題
1級の範囲として重要な論点を中心に出題されています。今回は、処理に時間のかかる問題が多かったという印象です。荷為替引受けによる未着品の仕入、支店間取引の本店の仕訳、発行社債の決算整理、固定資産の買換え、固定資産の取得と資産除去費用の資産計上、外貨建債務の決済が出題内容でした。支店間取引の問題が久しぶりに出題されましたが、他はここ1年以内に出題されている論点でした。いずれも重要な論点であり、一部出題範囲改定に関連したものでもありました。固定資産の買換えや社債の決算整理は時間がかかる問題でしたから、要領よく解答することが求められました。4つは正解して欲しいところでした。

第3問 経営分析
ROA、ROE、流動比率、自己資本比率の算定でしたが、代表的な経営指標です。過去に何度も出題されている重要な論点ですから、多くの受験者は対策が十分であったと思われます。また、弊社刊「直前模試」にも代表的な問題として出題していますから、本書を利用された受験者は十分対応できたと思われます。

第4問 合併貸借対照表の作成問題
合併会計の特徴は、①被取得企業の取得の対価(取得原価)を交付する株式の時価とする、②被合併会社の資産・負債を時価(公正な評価額)で受け入れる、①のほうが大きければ「のれん」が計上される、この論点を確実に押えて処理すれば満点が可能です。重要な論点ですから、出題頻度も高くなっています。もちろん弊社の「直前模試」にも出題しています。

第5問 損益計算書の作成、貸借対照表の負債の部・純資産の部の作成の問題
決算整理事項等は仮払金、仮受金の整理、消費税の整理、売上勘定の修正、有価証券の評価、期末商品の評価、引当金の計上、経過勘定の整理等、ほぼ固定された出題内容でした。第5問はボリュームがありますから、高得点を獲得するためには、素早い対応が求められます。
各諸表作成の論点は、「直前模試」の問題とほぼ同様でしたので、事前に「直前模試」を何度も練習した受験生は、時間配分を誤らない限り高得点を獲得したのではないでしょうか。

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【1級原価計算・工業簿記】
全経簿記検定の総合問題は、原価計算の手続と勘定体系がしっかり学習できていれば高得点が可能です。また、原価計算を理解する問題として、とても良い問題であると思います。原価計算を学習する人には一度は解いてもらいたいものです。
最近の傾向として、出題論点は安定しているのですが、出題の形式が変化しています。弊社の「直前模試」は、上述の内容を考慮し、本試験に十分対応できる内容構成をとっていますが、常に傾向を分析し、受験者の希望に添える教材をこれからも提供していきたいと考えています。

第1問 理論問題
文章中の正しい用語を選択する二者択一の問題でした。昨今は出題形式もいろいろ工夫されているようですが、原価計算基準の内容から逸脱したものではありません。出題内容は原価計算の目的、原価の諸概念、費目計算における原価の諸概念、材料費会計、副産物等の処理と評価、実際原価計算における原価差異からでした。これらの内容は、原価計算や工業簿記の会計処理上知らなくてはいけない用語群でした。予想が外れていても応用を利かせ部分点を獲得しなければいけない問題でした。弊社の「直前模試」などは部分点狙いには最適でした。

第2問 仕訳問題
出題区分表の全般から、自家用機械の製造・振替、等級別製品の原価按分、次工程への振替、作業時間差異の計算、製品の完成と販売、未払賃金給料の計上等、出題頻度の高い論点を中心に出題されています。出題されている論点は、基本的かつ重要な内容です。弊社の「直前模試」の問題も同様の趣旨で掲載しています。弊社の「直前模試」で対策は十分であったと思われます。基本を確実に押えた受験者は、高得点が可能でした。

第3問 個別問題
直接原価計算による損益計算書の作成、損益分岐分析が出題されました。過去186回、189回に同様の出題がありました。直接原価計算や損益分岐分析を苦手としている受験者が多いようです。基礎固めや練習時間が不足している印象です。参考書や問題集でしっかり基礎を固めた受験者は納得のいく点数を得ることが可能でした。(弊社の「直前模試」でも出題しておりました。)

第4問 総合問題
個別原価計算の各勘定記入、製造指図書別原価計算表の作成を問うものでした。一つひとつ資料を読み込んで数値を算定して埋めていけば高得点が可能でした。
ただし、第4問はボリュームがありますので素早い対応が必要でした。弊社の「直前模試」や過去問題を何度も解く必要がありました。

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10月1日より消費税率が改定されます。
弊社の書籍・商品をご注文いただいた場合、
10月1日発送分より消費税率を10%ととして計上させていただきます。
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解答用紙(無料ダウンロード)を更新しました。

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最新版の準備が整いました。
 全経簿記検定試験PAST 2級商簿(188回類題~195回類題)
 全経簿記検定試験PAST 3級商簿(188回類題~195回類題)
 全経簿記1級商会直前模試(2019年11月検定対応)
 全経簿記1級原工直前模試(2019年11月検定対応)
 所得税法2級直前模試(令和元年度検定対応)
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 全経簿記検定試験PAST 2級商簿(188回類題~195回類題)
 全経簿記検定試験PAST 3級商簿(188回類題~195回類題)
 全経簿記1級商簿・会計直前模試(2019年11月検定対応)
 全経簿記1級原計・工簿直前模試(2019年11月検定対応)
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