ブログ

「所得税法1級」雑損控除の件で

「所得税法1級」をご購入いただき独学をされている方から、
雑損控除に関する練習問題の解答について質問をいただきました。
解答の誤りというわけではないのですが、
本書の説明が少し不足していたかもしれません。
そこで、この場で説明(監修者筆)をさせていただきます。

Q.雑損控除の算出金額の問題
P.60の第10問では、火災による損害に関し、
被災直前の「原価」-被災直後の価額 という計算になっていますが、
P.63の第13問の、雑損控除に関わる計算に関しては、
被災直前の「価額」-被災直後の価額 という計算式になっています。

A.まず、雑損控除における差引損害金額を計算する上での損害金額については、
原則的には、被害直前の価額=直前の時価により計算します。
ただし、現金などではなく減価償却資産である場合には、
「取得価額-減価償却累計額相当額」によって計算した金額を
損害金額として用いることが認められています。
そこで、納税者有利の考え、「原価」と「価額」で、
いずれか多い金額を損害金額として採用しています。

<参考>国税庁タックスアンサー
No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm

「原価」という表現は、今回の第13問が第102回の総合問題を参考に作られており、
その問題でこういった表現がとられているため、そのまま活用しています。

以上

【正誤表】所得税法テキストに誤りが見つかりました。

●所得税法テキストに誤りが見つかりました。お詫びして訂正させていただきます。
P.40 下から3行目
付記事項 (1)
【誤】正規の簿記の原則に従っている。
【正】正規の簿記の原則に従って記録等し、電磁的記録の備付及び保管を行っている。
P.41 上から3行目
付記事項 (3) ③
【誤】159,370円
【正】160,000円
P.87 上から14行目
<資料2>1.収入 (1) 本年中の受取家賃
【誤】~、このほかに平成29年分の未収家賃300,000円がある。
【正】~、このほかに令和2年分の未収家賃300,000円がある。
解答編 P.11 下から2行目
給与所得 (3) 給与所得の金額
【誤】6,524,000円-1,679,000円=4,516,000円
【正】6,195,000円-1,679,000円=4,516,000円

こちらからダウンロードが可能です

解答用紙(無料ダウンロード)を更新しました。

●解答用紙が無料でをダウンロードできます。
最新版の準備が整いました。
 全経簿記検定試験PAST 2級商簿(192回類題~199回類題)
 全経簿記検定試験PAST 3級商簿(192回類題~199回類題)
 全経簿記1級商会直前模試(2020年11月検定対応)
 全経簿記1級原工直前模試(2020年11月検定対応)
 所得税法2級直前模試(令和2年度検定対応)※9/1公開予定
 所得税法3級直前模試(令和2年度検定対応)※9/1公開予定
 法人税法2級直前模試(令和2年度検定対応)
 法人税法3級直前模試(令和2年度検定対応)
 消費税法2級直前模試(令和2年度検定対応)
 消費税法3級直前模試(令和2年度検定対応)
「ダウンロード」-「解答用紙」、もしくはこちらからダウンロードしてください。

《検定雑感》第197回全経簿記検定

■全経簿記・第197回1級商業簿記・会計学
今回の検定は、厳しい内容で、ボリュームも多く、合格率は相当悪いという印象を受けています。商業簿記・会計学の出題形式は、毎回変化しています。特に第3問、第4問にこれまでにない論点と形式が登場しています。今回は第5問にも、何年も出題のなかった本支店会計が出題されました。
これから受験を考えている方は、合格点を突破するために弊社の「直前模試」に登載の問題で基本論点をしっかり身につけて欲しいと思います。新しい論点や形式の問題については、タイミングよく、弊社の「直前模試」に反映させたいと考えています。

第1問 理論問題
今回は、貸借対照表の記載内容、保守主義の原則とその注解、注解の引当金についてと債権の評価からの出題でした。企業会計原則本文と注解が組み合わされた変則的な出題であったように思われます。貸借対照表の記載内容については出来なくてはいけませんが、一般原則の保守主義の原則や簿記でも学習している引当金の設定要件や債券の評価については、何とか正解に結びつけられたのではないでしょうか。60%は得点したいところでした。

第2問 仕訳問題
今回の仕訳問題は、各取引を一歩踏み込んだ内容の出題が何問かありました。原始取引を想定しながら解答を導かなければいけませんでしたから、時間配分が難しかったことでしょう。最近の傾向としては、基本的な論点と新しい範囲の論点がバランスよく出題されています。山を掛ける学習方法は通用しないことを胆に銘じておきましょう。
創立費と開業費、割賦購入後の割賦金の支払処理、仕入割引、売上原価対立法による外貨建取引、減損損失の計上、保証債務の取崩が論点でしたが、どれも1級の範囲を超えているわけではないので、慎重に解答すれば高得点は可能でした。5題は正解したいところでした。

第3問 個別論点1
株主資本等変動計算書の出題でした。今までの出題内容は、剰余金の配当等と当期純利益の計上のみでしたが、今回は株主資本の計数の変動、繰越損失の解消、増資の論点が出題されました。授業の中では触れていると思いますが、過去問対策では触れなかった受験者が多かったと想像します。(弊社の「直前模試」ではこれらの論点は触れていませんでした。)ただし、書式にカッコが付いていましたから、想像力を働かせれば半分以上は得点できた問題でした。

第4問 個別論点2
連結精算表の作成問題でした。連結精算表の作成問題は、範囲指定のとおりの出題で、資産の評価替え、資本と投資の相殺消去を精算表に記入し、横展開して金額を埋めるという内容でした。事前学習も十分であったと思われます。また、「直前模試」にも同様の問題が登載されていましたから、多くの受験者は満点を獲得できたことでしょう。

第5問 財務諸表の作成
本支店合併の損益計算書と貸借対照表の一部の作成問題でした。本支店会計は何年も出題がありませんでしたから、弊社の「直前模試」にも登載していませんでした。多くの受験者には自力で解答欄を埋めることが求められました。ただし、決算整理事項等は個別財務諸表作成問題で出題のある有価証券の評価、商品の評価、減価償却費の計算、リース会計、経過勘定の整理等の内容でしたから、応用力を働かせて正答を導き出してくれたであろうことを願っています。ボリュームも多く高得点を確保するのは難しいところですが、半分は取りたいところでした。


■全経簿記・第197回1級原価計算・工業簿記
全経簿記検定の総合問題は、原価計算の手続と勘定体系がしっかり学習できていれば高得点が可能です。また、原価計算を理解する問題として、とても良い問題であると思います。原価計算を学習する人には一度は解いてもらいたいものです。
弊社の「直前模試」は、上述の内容を考慮し、本試験に十分対応できる内容構成をとっています。
また、最近の傾向として出題論点は安定しているのですが、出題の形式が変化しています。そこで弊社では常に傾向を分析し、受験者のニーズに沿った教材をこれからも提供していきたいと考えています。

第1問 理論問題
今回の理論問題は、文章中の正しい用語を選択する二者択一の問題でした。昨今は出題形式もいろいろ工夫されて、複数の原価計算基準に関連した出題がされています。(原価計算基準の内容から逸脱したものではありません。)工業簿記・原価計算を学習するにあたって理論的背景もしっかり学習する必要があります。今回は、原価の本質、原価部門の設定、原価差異の算定と分析、操業度との関連における分類、副産物と連産品の定義からの出題でした。これらは原価計算や工業簿記の会計処理上知らなくてはいけない内容であり、予想が外れていても会計処理から応用を利かせ部分点を獲得できる問題でした。弊社の「直前模試」などは部分点狙いに最適な内容を含んでいると感じています。

第2問 仕訳問題
仕訳問題は、出題区分表の全般から、材料消費高の計上、補修費の処理、未払賃金給料の計上、自家用機械の製造・振替、等級別製品の原価按分、本社工場会計の賃金給料の支払等、出題頻度の高い論点を中心に出題されています。出題されている論点は基本的かつ重要な内容です。弊社の「直前模試」の問題も同様の趣旨で登載しています。

第3問 個別問題
総合原価計算における仕掛品勘定の記入(副産物の分離計算含)の問題でした。原価配分方法に違いがありましたが想定内です。副産物は工程の終点で分離するのでその処理さえ間違わなければ満点を獲得できたでしょう。弊社の「直前模試」に類似問題(「直前模試」は先入先出法、本試験は平均法)を登載しています。

第4問 総合問題
今回は前回同様、個別原価計算の各勘定記入、製造指図書別原価計算表の作成を問うものでした。一つひとつ資料を読み込んで材料計算、労務費計算、製造間接費計算、製品の完成・販売の順に数値を算定して解答欄を埋めていけば高得点が可能でした。(ただし、第4問はボリュームが豊富なので素早い対応が必要でした。)
弊社の「直前模試」や過去問題を万遍なく学習した受験者には問題なかったはずですが、「前回出題されたから今回の出題はない」と山を掛けた受験者には厳しい結果になったでしょう。


■全経簿記・第197回2級商業簿記
これまでの試験で出題形式や内容はほぼ確定してきたようですが、今後、出題形式のパターン変更の有無、区分表にある未出題の論点がどのように出題されるか不透明なところがあります。区分表内で未出題の部分は各自目を通しておく必要があります。
弊社では今後の出題状況を見て「完全分類全経簿記2級商簿」「全経簿記検定試験PAST2級商簿」に手直しを加えていく予定です。合格するためには弊社発行の問題集で十分対応可能と考えておりますが、さらに受験者の要望に応えるべく情報提供に努めてまいります。

第1問 仕訳問題
定期的に出題されている手形の割引、未収利息の再振替、クレジット販売、増資、外貨預金、建設仮勘定、剰余金の配当等、重要な論点が出題されました。各取引の文章表現も特に迷うようなものはなく日頃学習している内容そのままであったと思われます。多くの受験者は安心して解答欄を埋めたのではないでしょうか。

第2問 計算問題
新傾向の形式と従来からの形式の問題がバランスよく出題されています。今回は旧形式である各項目データから期末現金・預金、期末純資産、売上総利益、当期純利益の金額を算定する問題でした。この種の計算問題は、資産=負債+純資産という貸借対照表の構造、収益-費用=当期純利益という損益計算書の構造と、両者の関係から各金額が算定可能です。このような関係を知っているかいないかで得点に差が出ました。

第3問 帳簿記入
取引から商品有高帳に記入し、純売上高、売上原価、売上総利益の金額を算定する問題でした。取引をメモに仕訳し、商品有高帳に慎重に記入することが求められました。ここでのポイントは、仕入返品や売上返品の処理方法をしっかり押さえていたかどうかです。仕入返品は仕入単価で払出欄または受入欄に記入、売上返品は払出単価で受入欄または払出欄に記入することができたでしょうか。また、売上原価は払出欄から算定することが分かっていたでしょうか。

第4問 伝票会計
集計表の作成と総勘定元帳・補助元帳に記入する問題でした。支払伝票、入金伝票に記入されている勘定科目の貸借を誤らないように慎重に集計する必要がありました。メモに仕訳をするくらいの慎重さが持てたでしょうか。総勘定元帳には仕訳集計表から転記、補助元帳には伝票からそれぞれ個別に転記されることを押さえていたでしょうか。十分に満点が狙える問題でした。

第5問 決算問題
今回も精算表の作成問題が出題されました。決算整理事項のうち、貸倒引当金の設定について付記事項で売掛金が減少しています。未払法人税等の金額は、中間申告額を差し引いた金額となります。(気がついたでしょうか。)他の整理事項は過去出題の内容と同様でしたので対策はできていたと思います。


■全経簿記・第197回2級工業簿記
2級工業簿記は、出題形式にやや変化がみられるものの、難易度的には、一定程度を維持しているといってよいでしょう。今回も一部に悩むところはありましたが、全般にこれまでと同等レベルであったと思われます。
2級工業簿記はパターン学習が可能だからといって、過去問題を暗記するという勉強方法ではいけません。本試験は目先を変えて出題しています。工業簿記の体系や手続きをしっかり理解する勉強方法を採ることが大切です。

第1問 原価の分類
実務色が強くなっている影響で判断が難しいところがありました。また、直接なのか間接なのかを悩むところがいくつかあったと思われます。3題は出来て欲しい内容でした。3.塗装工の賃金、5.薬品を詰める容器などは判断が難しかったと思います。

第2問 仕訳問題
材料の購入から材料消費、労務費の消費、製造間接費の配賦、製品の完成・引渡までの製造業の一連の流れを問うものでしたから、流れを理解していることが大切でした。ただし、3.に段取時間というこれまでにない要素が登場しました。段取時間は、機器の交換や材料の準備等に費やす時間で、直接労務費として処理します。これを誤ってしまうと4題のみの正解となってしまう厳しい内容でした。

第3問 総合原価計算
月末仕掛品の評価がポイントになりますが、その方法に先入先出法と平均法があります。今回は先入先出法による計算の出題でした。先入先出法は、先に投入したものから完成するという仮定ですから、月末仕掛品原価は当月投入費用にもとづいて算定されます。ボックスを用いて学習している受験者にとっては単純な計算であったと思われます。

第4問 勘定記入
勘定の流れを理解していない受験者は、正答を導くのに難渋したのではないかと思われる問題でした。金額欄が空欄になっていますが、同じ数字どうし、例えば材料勘定貸方①と仕掛品勘定借方①を仕訳して取引内容は何かを判断すると正答が得られます。他も同様に仕訳すると、すべての正答が見えてきます。決して難しい内容ではありません。流れをしっかり押さえていれば満点も可能でした。前回も同様の出題がなされました。

第5問 個別原価計算
個別原価計算による原価計算表の作成でした。内容はこれまでと同様ですが、一部に金額推定があり、目先を狂わされました。資料の2からすべて判明します。これが分かれば今までの問題と同様、材料商品有高帳から直接材料費の金額を、原価計算表の直接労務費合計額と直接作業時間の一覧から製造指図書別直接労務費の金額を、原価計算表の製造間接費合計額と直接作業時間の一覧から製造指図書別製造間接費の金額を算定することができます。時間がかかる問題ですが、慎重に解答すれば高得点が可能でした。

弊社では「zbⅡ工業bw(全経簿記2級工業簿記ワークブック)」を2019年4月に刊行しました。この書籍は工業簿記の体系や手続きの基本を重視した合格に役立つ書籍となっています。
基本を押さえておけば、2級工業簿記は合格点を獲得し易い試験のように思われます。これから受験を考えている学習者は、是非、弊社発行のワークブックで合格を勝ち取っていただきたいと思います。


■全経簿記・第197回3級商業簿記
第1問 仕訳問題
仕訳問題は、会社の設立、売上返品、給料の支払、手形受取による売上、手付金の充当と掛による仕入取引(消費税あり)、有価証券の購入、固定資産の取得、と重要な論点が繰り返し出題され、特に新しい論点は見られませんでした。取引文章も普段受験者が慣れ親しんでいる表現であったと思われます。基本的な仕訳問題を何度も練習した受験者は高得点を獲得したものと思われます。

第2問 計算問題
計算問題の出題傾向は3~4種にまとめることができますが、今回は、期首・期末の貸借対照表と損益計算書からの金額推定の出題でした。
この問題は、貸借対照表と損益計算書の構造(資産=負債+純資産、費用+当期純利益=収益)と両者の関係が分かっていれば満点が可能です。特に期首純資産と期末純資産の差額が当期純利益であり、損益計算書の当期純利益と一致していることが解法のポイントになります。

第3問 伝票会計
今回は前回同様、伝票の記入面から各勘定口座へ転記する伝票会計が出題されました。入金伝票と出金伝票の科目に印刷されている勘定科目の貸借を誤らなければ高得点が狙えました。伝票会計が苦手だという受験者は、伝票から直接転記しようとしないで、伝票の記入面をメモに仕訳して転記を考えるようにしましょう。

第4問 帳簿記入
今回は、商品有高帳の記入が出題されました。3級は先入先出法の記入が出題されます。先入先出法は、前商品の単価と異なる商品を仕入れた時の残高欄には、前仕入商品の下行に記入することがポイントです。払出欄の記入も単価が異なっていれば2行で記入します。よくある誤りは、払出欄の単価を売価で記入してしまう、というものです。払出欄の単価欄は仕入原価であることを誤らなければ高得点が可能でした。

第5問 決算総合問題
決算総合問題では精算表の作成が出題されました。損益計算書や貸借対照表の作成も範囲ではありますが、最近は出題がありません。決算整理事項の論点として売上原価の計算、貸倒引当金の設定、減価償却費の計上(直接法)、現金過不足の整理、費用の見越し・繰延べ、が出題されています。受験者がこれまで学習した内容がそのまま出題されたといってよいでしょう。金額の記入箇所を誤るというミスをよく耳にします。精算表の作成は横展開を慎重に行う必要があります。最低でも80%の点数は獲得したいものです。

《検定雑感》第153回日商簿記3級

今回の問題は一部に難しい表現がありましたが、難易度は中程度で比較的平易なものが多かったように思われます。
本年度から出題区分が改定され、毎回新しい問題がいくつか出題されますが、難易度はそれほど高くありませんでした。受験者の多くは新区分の学習も進んで、むしろ得点源だったかもしれません。その他の出題についても勘定記入の出題は少し難易度が高かったように思いますが、普段学習している基本からかけ離れていませんでしたから、確実に得点を伸ばせたのではないでしょうか。期待を裏切ることは無かった出題内容であったといってよいでしょう。自分を信じて基本の学習をおろそかにしなかった受験者には吉報が届くはずです。全体の合格率は50%前後くらいになるのではないかと予想します。
3級は、第1問、第3問、第5問で8割以上を獲得できる学習を心がけないと合格に結びつきません。第2問、第4問に惑わされないことも重要です。

【第1問】仕訳問題です。新傾向として証ひょうから仕訳を推定する問題が出題されました。固定資産の取得時の配送料や、据付費の支出額を固定資産の取得原価に含めたかがポイントでした。他は過去に出題された問題と同レベルの内容でした。取引文から正しい勘定科目が選択できたかがポイントになります。従業員の社会保険料の会社負担分の科目、先方負担の発送費の科目(問題文に指示あり)などでした。また、借入金の正しい利息の計算も求められました。処理方法は問題文に丁寧に書かれていましたので、よく読んで解答していれば4つ以上の正解を得たのではないでしょうか。
【第2問】受験生が苦手にしている勘定記入の問題でした。受取家賃の物件が2件あったことと、家賃額の変更で決算整理に戸惑ったようです。この種の問題は、各物件を日付順に丁寧に仕訳をして、転記をすれば正答にたどり着きます。ただし、決算整理の処理方法を知っていることが前提です。再振替仕訳・転記、期中仕訳・転記、決算整理仕訳・転記、この流れが理解できていた人は得点源でした。苦手な人でも4点は欲しいところでした。
【第3問】残高試算表の作成問題でした。出題形式は前月末残高試算表に一日一取引の月中取引を加算・減算して残高試算表を作成する問題でした。新基準からは電子記録債権の発生・決済記録、法人税の中間納付、臨時株主総会による剰余金の配当が出題されました。ボリュームが若干多めでしたから素早い対応が求められました。前回同様、残高試算表の作成問題でしたので、合計試算表を作成してしまったというミスがなかったか少し心配です。後は集計ミスに気を付けていれば満足できる点数を獲得したと思われます。
【第4問】移動平均法による商品有高帳の作成と各種金額の算定問題でした。売上返品が含まれていましたので、正しい記入ができたかがポイントです。問題文に「受入欄に記入」とありましたので、受入欄に27日の払出単価で記入すれば正解でした。最近は売上返品があるものがよく出題されています。各種金額は、純売上高から売上返品額を差し引くことを忘れてはけません。
【第5問】精算表の作成問題でした。決算整理事項等には売掛金回収の未記帳、仮払金の整理、現金過不足の整理、減価償却費の月割計上、借り入れ条件からの未払利息の計上、新基準から当座預金の貸方残高の整理等、当座預金の貸方残高の整理以外は、過去のレベルと同レベルでした。精算表の作成は受験者の得意とするところでしたから、満足できる結果だったのではないでしょうか。

弊社刊行の「直前模試」で学習された受験者は、手ごたえを感じて試験を終えたのではないでしょうか。
合格点を得るためには簿記の原理、簿記の基本を重視した学習を心がけることが正しいことを毎回実感しております。弊社が刊行している「直前模試」の構成や作成意図が、検定の出題趣旨に合致していることを再確認した本試験でもありました。
企業を取り巻く環境の変化によって、会計も日々変化していきます。そんな、時代の変化にも十分に対応可能な「直前模試」をこれから受験や学習を考えている皆様に提供していきたいと考えております。

《検定雑感》第153回日商簿記2級

「ここまでやるのか連結会計!」――今回の2級はこの文言に尽きると思います。
今回の検定試験問題は「連結会計」を除き基本事項を確実に押えていれば十分対応可能な内容でした。難しい問題に振り回されることなく基本事項を確実に身につける学習が重要であることを改めて思い知らされました。難問に固執することなく分かる問題を確実に得点することが、合格には欠かせません。これから受験を考えている人は、連結会計に関しては商企業の資本と投資の相殺、連結、連結会社間取引の相殺、債権債務の相殺、商品と土地の未実現利益の消去を確実に押えることが肝要かと思われます。
今回の試験は第1問、第2問、第4問、第5問でいかに高得点を得るかが合否の分かれ目でした。別のいい方をすれば80点満点の試験であったといってもよいでしょう。
第1問16点、第2問16点、第4問20点、第5問20点、合計72点で合格という試験だったのではないでしょうか。

<総論>
第1問の仕訳問題は、比較的基本的な内容であったと思います。新区分の論点として、圧縮記帳、電子記録債権の譲渡が出題されました。また、圧縮記帳後の減価償却方法に200%定率法、直接法による処理が問われました。問題文をよく読んで解答すれば特に問題はなかったと思います。4つは出来て欲しかった内容です。
第2問は文章題の出題でしたが、普段簿記処理で目にしている内容でしたから、日ごろの学習をしっかりこなしていれば高得点を獲得できる問題でした。これら文章題は日頃の簿記処理の基本を押さえておけば、特に対策を立てる必要はないと考えます。
第3問は連結会計の精算表作成の問題でした。ほとんどの受験者がお手上げ状態になったのではないでしょうか。前回の連結を参考に対策を立てた受験者の中には、時間を無駄に過ごしたと感じた人も多かったでしょう(無駄にはなりません、必ず将来役に立ちます)。その論点は製造業の連結であったため、連結企業集団の取引が複雑に絡んでいること、未実現利益の除去が複雑であったこと、債権債務の金額が不一致になっていること、手形の裏書や割引があること等、1級のレベルと思われるような内容が盛りだくさんの出題でした。今回は制限時間内で解答欄を埋める努力をするしかありませんでした。6点取れればよいところだと思います。
第4問は本社工場会計の仕訳問題でした。取引は難しくありませんでしたから、工場に設定されている勘定科目を確実に押えて仕訳をすれば満点が可能でした。
第5問は組別総合原価計算の原価計算表と損益計算書の一部を作成する問題でした。仕損も減損もない単純な内容でした。加工費を組別に按分する計算を誤らなければ、第4問同様満点が可能であったと思います。損益計算書の一部を算定するのに多少時間がかかる問題でしたが、持ち時間で十分解答可能でした。

<各論>
【第1問】仕訳問題の問題1.2.4は正解して欲しい内容でした。1は業務委託費を研究開発費に含めること、3.は200%定率法の直接法であること、5.は配当に伴う利益準備金の積立限度額の算定、これらに注意がいけば4つは正解できたはずです。
【第2問】文章題でカッコの中に語群から最も適当なものを選ぶ問題でしたが、一部金額の算定がありました。税金の種類と内容、収益の認識基準、合併の処理、有価証券の種類と処理に関する問題でした。普段会計処理として目にしている内容でしたから、8割は獲得しないといけなかったと思います。文章題は日頃の会計処理をしっかり学習することで対応可能です。
【第3問】連結会計でしたが、受験者にとっては難問でした。受験指導機関でもここまで予想は出来なかったと思われます。受験者は、最後まで諦めずに、投資と資本の相殺消去、連結会社間の取引と債権債務の相殺消去の分かるところだけでも答案用紙を埋める努力が必要でした。それだけでも埋まっていれば6~8点は獲得できたはずです。今後製造業の未実現利益の除去、手形の裏書・割引を率先して学習する必要があるのか疑問が残ります。
【第4問】本社工場会計の仕訳の出題でした。本社工場会計で問題になるのは原材料や製品のやり取り、現金などの支払関係等本社と工場の境目にある取引です。特に難しい取引はありませんでしたから、工場に設定されている勘定科目を確実に押えて解答すれば、満点が獲得できる内容でした。
【第5問】組別総合原価計算の℉原価計算表の作成と損益計算書の一部作成の出題でした。総合原価計算では仕損や減損の処理が問われますが、本問はこれらがありませんでした。加工費の按分計算が正確にできればあとは転がし計算をするだけなので、第4問同様満点が狙える問題でした。損益計算書の一部も求められているため、計算量が増えるので迅速な対応が必要でした。

《検定雑感》第196回全経簿記検定1級

【1級商業簿記・会計学】
商業簿記・会計学の出題形式は、毎回変化しています。特に第3問、第4問にこれまでにない論点と形式が登場しています。これから受験を考えている方は、まず弊社の「直前模試」に記載のある問題で基本論点をしっかり身につけて欲しいと思います。新しい論点や形式については、タイミングよく情報発信をしていきます。

第1問 理論問題
企業会計原則第一一般原則と注解から「継続性の原則」の出題でした。一般原則は会計の基本をなす原則ですから、確実に理解しておきたいものです。一般原則は、原則の初めに書かれていますので、多くの受験者は目を通していた内容であるはずです。前回の出題も一般原則でしたから、何とか記憶をたどり半分は得点したいところでした。(弊社刊「直前模試」を学習された受験者は、半分以上の点数を獲得できたのではないでしょうか。)出ないと予想した人には厳しい問題でした。

第2問 仕訳問題
1級の範囲として重要な論点を中心に出題されています。今回は、処理に時間のかかる問題が多かったという印象です。荷為替引受けによる未着品の仕入、支店間取引の本店の仕訳、発行社債の決算整理、固定資産の買換え、固定資産の取得と資産除去費用の資産計上、外貨建債務の決済が出題内容でした。支店間取引の問題が久しぶりに出題されましたが、他はここ1年以内に出題されている論点でした。いずれも重要な論点であり、一部出題範囲改定に関連したものでもありました。固定資産の買換えや社債の決算整理は時間がかかる問題でしたから、要領よく解答することが求められました。4つは正解して欲しいところでした。

第3問 経営分析
ROA、ROE、流動比率、自己資本比率の算定でしたが、代表的な経営指標です。過去に何度も出題されている重要な論点ですから、多くの受験者は対策が十分であったと思われます。また、弊社刊「直前模試」にも代表的な問題として出題していますから、本書を利用された受験者は十分対応できたと思われます。

第4問 合併貸借対照表の作成問題
合併会計の特徴は、①被取得企業の取得の対価(取得原価)を交付する株式の時価とする、②被合併会社の資産・負債を時価(公正な評価額)で受け入れる、①のほうが大きければ「のれん」が計上される、この論点を確実に押えて処理すれば満点が可能です。重要な論点ですから、出題頻度も高くなっています。もちろん弊社の「直前模試」にも出題しています。

第5問 損益計算書の作成、貸借対照表の負債の部・純資産の部の作成の問題
決算整理事項等は仮払金、仮受金の整理、消費税の整理、売上勘定の修正、有価証券の評価、期末商品の評価、引当金の計上、経過勘定の整理等、ほぼ固定された出題内容でした。第5問はボリュームがありますから、高得点を獲得するためには、素早い対応が求められます。
各諸表作成の論点は、「直前模試」の問題とほぼ同様でしたので、事前に「直前模試」を何度も練習した受験生は、時間配分を誤らない限り高得点を獲得したのではないでしょうか。

全経簿記1級商簿・会計直前模試はこちら


【1級原価計算・工業簿記】
全経簿記検定の総合問題は、原価計算の手続と勘定体系がしっかり学習できていれば高得点が可能です。また、原価計算を理解する問題として、とても良い問題であると思います。原価計算を学習する人には一度は解いてもらいたいものです。
最近の傾向として、出題論点は安定しているのですが、出題の形式が変化しています。弊社の「直前模試」は、上述の内容を考慮し、本試験に十分対応できる内容構成をとっていますが、常に傾向を分析し、受験者の希望に添える教材をこれからも提供していきたいと考えています。

第1問 理論問題
文章中の正しい用語を選択する二者択一の問題でした。昨今は出題形式もいろいろ工夫されているようですが、原価計算基準の内容から逸脱したものではありません。出題内容は原価計算の目的、原価の諸概念、費目計算における原価の諸概念、材料費会計、副産物等の処理と評価、実際原価計算における原価差異からでした。これらの内容は、原価計算や工業簿記の会計処理上知らなくてはいけない用語群でした。予想が外れていても応用を利かせ部分点を獲得しなければいけない問題でした。弊社の「直前模試」などは部分点狙いには最適でした。

第2問 仕訳問題
出題区分表の全般から、自家用機械の製造・振替、等級別製品の原価按分、次工程への振替、作業時間差異の計算、製品の完成と販売、未払賃金給料の計上等、出題頻度の高い論点を中心に出題されています。出題されている論点は、基本的かつ重要な内容です。弊社の「直前模試」の問題も同様の趣旨で掲載しています。弊社の「直前模試」で対策は十分であったと思われます。基本を確実に押えた受験者は、高得点が可能でした。

第3問 個別問題
直接原価計算による損益計算書の作成、損益分岐分析が出題されました。過去186回、189回に同様の出題がありました。直接原価計算や損益分岐分析を苦手としている受験者が多いようです。基礎固めや練習時間が不足している印象です。参考書や問題集でしっかり基礎を固めた受験者は納得のいく点数を得ることが可能でした。(弊社の「直前模試」でも出題しておりました。)

第4問 総合問題
個別原価計算の各勘定記入、製造指図書別原価計算表の作成を問うものでした。一つひとつ資料を読み込んで数値を算定して埋めていけば高得点が可能でした。
ただし、第4問はボリュームがありますので素早い対応が必要でした。弊社の「直前模試」や過去問題を何度も解く必要がありました。

全経簿記1級原計・工簿直前模試はこちら

《検定雑感》第152回日商簿記検定

【2級】
今回の商業簿記は、基本論点を確実に学習していた受験者が合格点に達するという、まさに実力がそのまま表れる試験だったように思います。文章表現も若干難しいものを含み、ボリュームも適度にあり、制限時間内に答案用紙をどう埋めるかという時間配分まで問われていたように思います。
いつも述べていることなのですが、山掛けは効かないことを胆に銘じないといけません。昨今の2級は、基本事項を総合的に理解し、スピーディーに解く能力が備わっていないと合格できない試験になっています。受験者には負担が大きいですが、基本事項を総合的に理解する学習を心掛けたいものです。
今回は第1問、第4問、第5問合計で45点、第2問16点、第3問10点以上で合格という試験でした。

第1問の仕訳問題に、商品保証引当金の洗替法の処理が出題されました。多くの受験者は洗替法は認められないということで無視して学習していたのではないでしょうか。会計処理としての洗替法は残っていることを忘れてはいけないということだと思います。表現に難解なものはありませんでしたが、正解を科目一覧から見つけなければいけない問題がありました。4つできれば安心でしょう。

第2問は現金預金に関する問題でした。多くの受験機関で予想していたようです。決算仕訳に関しては答案用紙に問題番号が付いていましたし、難易度もそれほど高くありませんでしたから、得点源にしたい問題でした。また銀行勘定調整表の作成も普段練習をしている内容そのままだったので、時間もそれほど掛けずに正答を導けたことと思います。

第3問は貸借対照表作成の問題でした。答案用紙の形式が若干異なっていましたが、解答に影響するということは無かったでしょう。難しい論点は税効果会計にあったと思われますが、この論点を抜かしても十分合格ラインは突破できる問題だったのではないでしょうか。12点狙いでよかったと思います。

工業簿記は、第4問は前回も出題のあった、苦手としている受験者が多い部門別計算の問題でした。前回のような補助部門費の予定配賦のような論点ではなく、予算部門別配賦表の作成と原価差異の処理の問題でしたので、多くの受験者が正答にたどり着いたのではないでしょうか。

第5問は標準原価計算の出題でした。テキストでは直接材料費、直接労務費、製造間接費に分類した原価標準からの説明が多いので、原料費と加工費の分類には戸惑った受験者が多かったことと思いますが、製造間接費の考え方を加工費に置き換えれば正答が得られたのです。

■第153回検定対応の「日商簿記2級直前模試」は、7月15日発行(予定)です。
書籍のご購入はこちらから。


【3級】
2019年度から出題区分が改定され、新基準に基づく問題がいくつか出題されましたが、難易度は中程度で、それほど高くはなかったように思います。新基準の基本的な論点をしっかり学習した受験者にはむしろ得点源だったかも知れません。その他の出題についても普段学習している基本からかけ離れていませんでしたので、確実に得点を伸ばせたのではないでしょうか。期待を裏切ることは無かったといってよいでしょう。全体の合格率は40%後半くらいになるのではないかと思われます。80点を超えている多くの答案用紙が浮かんできます。

第1問 仕訳問題
新基準から会社の設立が出題されましたが、予定通りの内容でした。他は過去に出題された問題と同レベルの内容でした。取引文から正しい勘定科目が選択できるか、特に手形借入金、租税公課などの勘定科目が適切に選択できたかが高得点獲得のカギになったことでしょう。また、仮払金の整理に若干難しさがありましたが、問題文に書かれたとおりに処理すれば正解が得られた問題でした。16点は取れたのではないでしょうか。

第2問
補助簿の選択に関する問題で、今年度から追加された固定資産台帳に記帳する取引が出題されました。各取引をメモに仕訳して該当する補助簿に〇を付ければよかった問題です。仕入や売上が仕訳される場合に商品有高帳に記入することを忘れなければ満点が取れたのではないでしょうか。

第3問
残高試算表の作成問題でした。新基準の内容からクレジット販売、差入保証金と支払手数料が出題されました。内容は前月末残高試算表に一日一取引の月中取引を加算・減算して残高試算表を作成する問題でした。ボリュームが若干多めでしたから素早い対応が求められました。今回は残高試算表の作成問題でしたので、合計試算表を作成してしまったというミスがなかったか少し心配です。後は集計ミスに気を付けていれば満足できる得点が獲得できたことでしょう。

第4問
伝票会計に関する問題でした。これまで3伝票制で論点とされてきた一部現金取引の2つの処理方法を問うものでした。それぞれで仕訳をして、伝票の記入面と照らし合わせれば正答が得られました。3伝票を学習する場合の重要な論点です。多くの受験者が満点を獲得していることでしょう。

第5問
貸借対照表と損益計算書の作成問題でした。多くの教育機関では精算表を第1予想としていたと思われますが、特に山を張らずに精算表の作成と損益計算書・貸借対照表の作成を練習していた受験者には満足のいく得点が獲得できたのではないでしょうか。新しい論点から消費税の整理が出題されましたが、多くの受験者は織り込み済みかと思います。他の論点は過去の出題と同レベルの内容でした。また、表示項目も答案用紙にほとんど印刷されていましたから、該当する箇所に金額を埋めるだけでした。そうはいってもこの種の問題を苦手にしている受験者は多くいますので、何とか6割以上の得点が欲しいところでした。

■第153回検定対応の「日商簿記3級直前模試」は、7月15日発行(予定)です。
書籍のご購入はこちらから。

《検定雑感》194回全経簿記検定

■3級商業簿記
第1問の仕訳問題は、会社の設立、消費税の授受、貸倒れ等、論点が固定され、繰り返し出題される安定した内容になっています。
第2問の計算問題は、損益法や財産法の考え方から各金額の推定が出題されました。
第3問は伝票の記入面から各勘定口座へ転記される問題が出題さました。
第4問の帳簿記入では、は小口現金出納帳の記入が出題されました。
第5問の精算表では、変更後決算整理事項として消耗品未使用の資産計上、費用の見越し繰延べ、現金過不足の整理が出題されました。精算表の出題形式は固定されたようです。
3級商業簿記の出題内容が改定されて今回で9回目を迎えました。ほぼ出題内容が安定したように思われます。
弊社発行の「全経簿記検定試験PAST3級商簿」や「完全分類全経簿記3級商簿」は改定後の出題内容を網羅していますから、本書で学習した受験者は合格点を十分満たしていると思われます。
また、まだ出題のない論点が今後どのような形で本試験に登場するか予想は難しいですが、いち早く情報提供をしたいと考えております。


■2級商業簿記
第1問の仕訳問題では、試験規則改定後、出題区分表に示されている範囲は、引当金、収益・費用項目の一部を除きほぼ出揃ったようです。また、重要な論点は繰り返し出題されています。今後、引当金、収益・費用項目の一部がどのような形で出題されるのかを見極め、情報提供をして参ります。
第2問の計算問題では、新傾向の形式と従来からの形式の問題がバランスよく出題されています。今回は新傾向の形式である期首および期末の貸借対照表と主要勘定の記入面から各種金額を算定する問題でした。
第3問の帳簿記入では、仕入帳と売上帳から商品の次月繰越高と各種勘定口座への記入を求めるものでした。「全経簿記検定試験PAST2級商簿」に同様の問題が掲載されていましたから、本書を利用された受験者は満足できる点数を獲得したものと思われます。
第4問の伝票会計では、伝票の起票と集計表の作成、勘定口座へ記入する問題でした。この形式は久しぶりの登場ですが、「全経簿記検定試験PAST2級商簿」や「完全分類全経簿記2級商簿」に類似問題を掲載しておりますので、本書を利用された受験者は十分対応できたものと思われます。
第5問は精算表の作成問題(付記事項と決算整理事項から精算表を作成する)でした。これまでの出題でほぼ出題範囲は網羅されたようですが、本支店で見られる商品の評価は、試験規則改定後まだ出題されていません。出題状況を見て「全経簿記検定試験PAST2級商簿」「完全分類全経簿記2級商簿」を手直ししていく予定です。


■2級工業簿記
2級工業簿記の試験が開始されて今回で9回目を迎えました。出題形式にやや変化がみられるものの、難易度的にほぼ落ち着いてきました。第1問は原価の分類、第2問は仕訳問題、第3問は総合原価計算、第4問は勘定体系、第5問は個別原価計算という構成です。
パターン学習が可能だからといって、過去問題を暗記するという勉強方法ではなく、工業簿記の体系や手続きをしっかり理解する勉強方法を採ることが大切です。そのための対策書籍として、弊社からは今春「zbⅡ工業bw(全経2級工業簿記ワークブック)」を発売いたしました。


■1級商業簿記・会計学
第1問 理論問題
企業会計原則第二損益計算書原則からの出題でした。損益計算書の区分とそこに含まれる項目について問うものでしたが、日ごろ損益計算書の作成練習をしている受験者にとってはそれほど難しい内容ではなかったはずです。
最近の理論問題は、予想の立てづらい出題になっています。今後受験を控えている人にとっては、理論問題に多くの時間を割くのは得策とはいえません。過去問題の分析にもとづいた弊社「直前模試」の掲載問題を参考にされ、効率の良い受験勉強をしてほしいと思います。
第2問 仕訳問題
1級の範囲として重要な論点を中心に出題されています。固定資産の割賦購入、社債の決算整理、外貨建取引、欠損のてん補は比較的短い周期で出題されています。源泉所得税と法定福利費の支払についてはしばらく出題のなかった内容でした。いずれも重要な論点であり、弊社の直前模試でも重要論点として掲載しており、「直前模試」をしっかり学習した受験者は納得できる点数を得たものと思われます。
第3問 個別論点1
今回の個別論点問題1は有価証券の決算整理についての出題でした。満期保有目的債券、子会社株式、その他有価証券について期末決算整理仕訳を問う問題でしたが、「直前模試」に類似問題を掲載していましたので、納得できる点数が得られたものと思われます。
第4問 個別論点2
企業がグロ-バル化し、かつ大規模化している今日、外貨換算会計、連結会計、企業結合会計を習得することは欠かせません。今回はそのうちの一つ連結会計の出題でした。内容は過去の出題とほぼ同様であり、「直前模試」にも掲載していますので、納得できる点数が得られたものと思われます。
第5問 財務諸表の作成
損益計算書作成と貸借対照表の借方を作成する問題でした。論点は、「直前模試」の問題とほぼ同様でした。「直前模試」を何度も練習した受験生は、時間配分を誤らない限り高得点を獲得したのではないでしょうか。
弊社の模擬試験問題集「直前模試」は、以上のような論点に十分対応できる内容となっております。事前学習に利用された受験生は満足のいく点数が得られたものと思われます。また、これから受験しようと考えている学習者は、是非弊社の「直前模試」で応用力を養ってほしいと思います。


■1級原価計算・工業簿記
第1問 理論問題
今回の理論問題は、文章中の用語や数値の〇×問題でした。昨今は出題形式もいろいろ工夫されているようですが、原価計算基準の内容から逸脱したものではありません。原価計算基準の広範囲から出題されますが、過去に出題頻度の高い内容が出題されています。弊社の「直前模試」を参考に基本学習を進めた受験者には容易に〇×の判定ができたはずです。
第2問 仕訳問題
仕訳問題は、出題区分表の全般から出題頻度の高い論点を中心に出題されました。また、その論点は基本的かつ重要な内容です。弊社の「直前模試」をご活用いただき、学習をお進めいただきたいものです。
第3問 個別問題
個別原価計算における製造間接費の勘定記入が出題されました。基本的な間接材料費、間接労務費および間接経費の計算、予定配賦額、製造間接費の配賦差異の算定を求めています。久しぶりの出題ですが、基本的な内容でしたから指示に従って計算すれば高得点が可能な問題でした。
第4問 総合問題
等級別総合原価計算の各勘定記入、総合原価計算表、等級別原価計算表の作成、月次損益計算書の作成を問うものでした。等級別総合原価計算の出題は初めてであったと思います。受験者の多くは戸惑ったものと想像します。弊社「直前模試」第4問総合問題には掲載がありませんでしたが、単純総合原価計算の方法と、「直前模試」第3問に掲載している等級別原価計算の問題が結び付いた出題であることに気が付いた受験者は、何とか合格点を確保できたのではないでしょうか。
本書を利用された受験者には負担をかけてしまいましたが、今後の課題として生かしてゆきたいと思います。
毎回述べていますが、全経簿記検定の総合問題は、原価計算の手続と勘定体系がしっかり学習できていれば高得点が可能です。また、原価計算を理解する問題として、とても良い問題であると思います。原価計算を学習する人には一度は解いてもらいたいものです。
弊社の「直前模試」は、以上の点を考慮し、本試験に十分対応できる内容構成をとっています。
また、最近の傾向として、出題論点は安定しているのですが、出題の形式が変化しています。そこで弊社では再度傾向を分析し、受験者の希望に添える教材をこれからも提供して参りたいと考えています。

「収益認識に関する会計基準」の留意点について

「収益認識に関する会計基準」の公表に伴う
弊社刊『全経簿記1級商簿・会計直前模試(2019年5月・7月検定対策)』の
留意点について

平成30年(2018年)3月30日に「収益認識に関する会計基準が公表されて1年が経過しました。
弊社刊『全経簿記1級商簿・会計直前模試』(以下「直前模試」)は、
「収益認識に関する会計基準」の強制適用が
平成33年(2021年)4月1日以降開始する会計年度から適用するとなっていること、
編集段階において主催者が公表する出題基準表が従来のままであったことから、
従来の内容を参考にして掲載しておりました。

去る3月22日に主催者から平成31年度向けの出題基準表が公表されました。
その中で
1.割賦販売が上級に移動されていること、
2.工事契約が「履行義務の充足」に項目変更されていること
が確認されました。

弊社ではすでに従来のまま直前模試の編集作業を終え出版準備に入っておりましたため、
この変更に対応することができませんでした。
そこで誠に恐縮とは存じますが、弊社発行直前模試をご使用の際は、
以下の点に留意してください。

1.割賦販売の処理のうち、割賦基準(回収基準、回収期限到来基準)が認められなくなりました。
よって、第2回第3問の計算問題、第8回第1問仕訳問題4の問題を削除してください。
2.工事契約の処理方法が従来の「成果の確実性が認められるかどうか」によって判断することから
「一定の期間にわたり履行義務を充足するかどうか」によって判断することになりました。
ただし、工事進行基準等の考え方は残るので計算方法は参考にしてください。
よって、第4回第2問仕訳問題5、第7回第3問の問題は解き方の参考にしてください。

今後はより一層、内容の充実を図るべく情報収集に努め、
タイミングの良い教材を提供する所存でおります。
この版は今後の出題傾向を見ながら徐々に修正していく予定です。

直前模試をご購入いただいた方々にはご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんが、
よろしくお願いいたします。