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191回全経1級原価計算・工業簿記 講評

第1問 理論問題
今回の理論問題は、一部これまでほとんど出題のなかった原価部門の設定、原価差異の算定および分析が出題されました。原価計算基準のどこが出題されてもおかしくありません。原価計算・工業簿記の学習時に触れている内容だと思われますので、語群から正答を導けなければいけません。
原価計算基準は、原価計算・工業簿記を学習する基本になる概念や手続き等が記載されたものです。受験者は必ず押さえておかなければいけないものです。範囲が広すぎて学習時間が取れないという声を聞きます。比較的出題頻度の高い項目を中心に学習を進め、10点以上の得点を狙えばよいでしょう。弊社の「全経簿記1級原価計算・工業簿記直前模試」(以下「直前模試」)は過去の実績から出題頻度の高い項目を中心に問題構成をしています。

第2問 仕訳問題
仕訳問題は、出題範囲の全般からもれなく、また、出題頻度の高い論点を中心に出題されています。出題されている論点は基本的かつ重要な内容です。

第3問 個別問題
標準原価計算の仕掛製造間接費勘定の記入が出題されました。この範囲はこれまでほとんど出題のなかった内容でしたが、過去問題出題傾向からある程度内容が絞れるため、「直前模試」で学習した受験者は満足のいく結果が得られたものと思います。

第4問 総合問題
今回は、組別総合原価計算の原価計算表の作成と各勘定記入を問うものでした。全経簿記検定の総合問題は、原価計算の手続と勘定体系がしっかり学習できていれば高得点が可能です。また、原価計算を理解する問題として、とても良い問題であると思います。原価計算を学習する人には一度は解いてもらいたいものです。出題範囲も限られ、内容も安定していますので、解くスピードを身につければ高得点が可能です。

■弊社の「直前模試」は、以上の点を考慮し、本試験に十分対応できる内容構成をとっています。11月検定対応の「直前模試」は、9月1日発行予定です。
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191回全経1級商業簿記・会計学 講評

第1問 理論問題
これまでほとんど出題のなかった、損益計算書の本質、貸借対照表の記載内容、項目の配列、資産の評価等が問われました。予想を立てるのは困難であったと思います。企業会計原則全般を学習しなければ高得点が得られなくなっています。
理論問題の範囲は広範囲であるため、これまでほとんど出題のなかった論点も含めて学習することが合格のために得策なのかを考える必要があります。「全経簿記1級商簿・会計直前模試」(以下「直前模試」)には企業会計原則と他の会計基準と合致している論点を載せるべきであろうと思います。また、企業会計原則の暗記に費やす時間を他の問題に振り向け、合格点を突破する方が効率は良いと考えます。

第2問 仕訳問題
1級の範囲として重要な論点を中心に出題されています。出題範囲改定後の論点として固定資産の減損処理が問われていました。過去出題傾向をしっかり押さえておけば高得点が可能でした。

第3問 株主資本等計算書の金額算定
問1 株主資本等変動計算書の内容は、期首繰越利益剰余金の額(期首残高を推定)と利益準備金の積立額(配当金の10分の1の積立ではない)に気を付けなくてはいけませんでした。他は特に複雑なものはありませんでしたので、(  )の金額を慌てずに埋めていけば高得点が可能でした。今後もこのような難解な問題が前提になるのか、これからの出題傾向を冷静にみていきたいと思います。時期を見て必要な情報を提供する予定です。
問2 「自己資本を期首と期末の平均値とする。」とありますので、その点に気を付ければ正解が導けたと思われます。

第4問 連結精算表
連結精算表の作成は、評価差額の計上、資本と投資の相殺が理解できていれば高得点が可能でした。また、過去に出題されている問題と類似していましたので、過去問を学習した受験者には得点源でした。

第5問 財務諸表の作成
論点は、過去出題問題とほとんど同じでしたが、ソフトウェアの手付金の処理(ソフトウェア仮勘定で処理)、生産高比例法による減価償却費の計上が新たな論点として出題されていました。少しずつ新しい論点が追加されています。
ソフトウェアに関する処理は実務でも多くみられる論点であることから、弊社の「直前模試」に織り込みたいと考えています。また、生産高比例法についても定額法や定率法と同様、減価償却方法として広く論じられていることから、「直前模試」に織り込みたいと考えています。

■11月検定対応の「全経簿記1級商簿・会計直前模試」は、9月1日発行予定です。
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伝票ホルダー

伝票ホルダー(右手めくり用)の件で製造工場と打合せでした。

伝票ホルダーはかつては珠算検定、今では電卓検定の「伝票算」において
欠かせないものと個人的に思っています。
「これを使用せずに伝票がめくれるか」と叫びたくなるくらい。

珠算では、伝票算は「左手でめくるもの」です。
なぜなら、そろばんは必ず「右手ではじく(操作する)」からです。
右手でめくりながら、右手でそろばんをはじくことは出来ません。

しかし、電卓は必ずしも「右手で操作する」とは限りません。
いや、もしかしたら「左手で操作する」人の方が多いかもしれません。
左手で電卓を操作する人は、伝票は右手でめくりたくなりますよね。
そのためこの業界には、伝票を右手でめくるための環境が整っています。
珠算では考えられない「右手めくり用」の伝票ホルダーが存在するのです。

弊社では、お客様からの強い要望を受け、
かれこれ25年ほど前から右手めくり用の伝票ホルダーを製造・販売してきました。
しかし、検定人口の減少に伴う製造数量の減少や、
昨今のゴム価格の高騰などから、
1個あたりの製造単価もずいぶん上がってしまいました。
ついには、昨年までお願いしていた製造工場から
「もう出来ません」と言われてしまいました。

そう宣言されてから、早3ヶ月。
いつくかの工場に打診し見積りをとるも、
やはり価格で折り合えません。

今日訪問した会社さんで無理ならば…。

149回日商簿記検定3級 講評

【総評】
第2問の勘定記入、第4問の文章題を除いて基本的な内容の出題でありました。平成31年度から出題範囲が改正されるということで、少し難しくなるのではないかと噂されていましたが、基本からずれることは無く、地道に学習している受験者の期待を裏切ることは無かったといってよいでしょう。また、31年度以降出題範囲から外される論点の出題も見られませんでした。自分を信じて基本の学習をおろそかにしなかった受験者には吉報が届くのではないでしょうか。80点を超えている多くの答案用紙が浮かんできます。全体の合格率は50%前後であると予想します。


第1問
仕訳問題は、1.貸付時に受け取った約束手形の処理、2.先方負担の発送費の処理、3.貸倒引当金を超える貸倒れの処理、4.振込手数料の勘定科目、5.固定資産の売却の処理、と基本的な論点であり、満点を取って欲しい内容です。

第2問
保険料勘定と前払保険料勘定の勘定記入面の金額と語句の選定問題でした。受験者はこの種の勘定記入の問題に苦手意識を持っています。ですが毎期継続して支払っている保険料の決算整理は、精算表の作成や財務諸表の作成で嫌というほど目にしている内容です。ただし、今年度の支払額が10%アップしているということで、当期の前払保険料の金額算定が若干難しくなっています。半分取れればよしとしましょう。

第3問
合計残高試算表の作成問題でした。内容は合計試算表から一日一取引の月中取引を加減して合計残高試算表を作成する問題でした。取引内容も基本的なものでした。また、今回は合計残高試算表の作成問題でしたので、残高試算表の作成問題で合計試算表を作成してしまった、合計試算表作成問題で残高試算表を作成してしまった、というような表の作成ミスはなかったと思います。各人の実力がそのまま得点に反映しているはずです。集計ミスに気を付けていれば満足できる得点を獲得しているでしょう。

第4問
文章題が出題されました。145回に出題されてから1年ぶりの出題です。簿記の原理が理解できていれば高得点が狙えます。今回は語群から選択する問題でしたから、文章題は今一という受験者もある程度の点数は取れたことでしょう。半分取れればよいでしょう。

第5問
貸借対照表と損益計算書の作成問題でした。今回は精算表だと山を掛けていた受験者は苦労したことでしょう。第5問は山掛けする必要はありません。財務諸表の作成問題と精算表の作成問題を平均的に学習すればよいのです。現金過不足の整理、仮払金の整理、誤記入の修正、減価償却費の月割計算、借入金の支払条件からの未払計上などの決算整理事項等が主な論点です。また、表示に関しても特有なものがありますので、それも併せて練習していた受験者は高い点数が得られたと思います。

■第150回検定対応の「日商簿記3級直前模試」は、7月15日発行です。
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149回日商簿記検定2級 講評

【総評】
今回の商業簿記は、ボリュームが豊富なうえ、特に第2問は難易度が高く、合格点を獲得するのがかなり厳しい内容であったと思われます。工業簿記は、第4問で金額算定にてこずりそうな内容が含まれていたのを除けば、従来通り高得点を狙える出題であったように思われます。それらを総合すると合格率は20%前後になるのではないでしょうか。
山掛けに頼った受験者や解答手順を誤った受験者には厳しい結果が待っているだろうと思われます。昨今の2級は、基本事項を総合的に理解し、スピーディーに解く能力が備わっていないと合格できない試験になっています。受験者には負担が大きいですが、基本事項を総合的に理解する学習を心掛けたいものです。
第1問、第4問、第5問合計で50点、第2問、第3問合計で20点以上で合格という試験だったのではないでしょうか。


第1問
仕訳問題は問題5を除き、基本的な内容でしたので、4問は正解したい内容でした。問題5は、どの時点の仕訳を求めているのかを読むのに苦労する問題でした。

第2問
商品売買取引と外貨建取引の期中取引と決算時の処理を問うものでした。初めて見る形式だと決めつけて頭の中が真っ白になってしまった受験者が多かったのではないでしょうか。よく見ると商品売買取引のうち仕入は外貨建て、販売は日本円での取引でした。処理方法は売上原価対立法でした。個別に見ればしっかり学習している内容です。持ち時間内に分かるところだけでも埋めると10点は獲得できた問題です。

第3問
本支店会計のうち本店損益勘定を作成する問題でした。予想を外されたという声が聞こえていますが、本支店会計は出題範囲に含まれている内容ですので、当然学習しておかなければいけない範囲でした。未処理事項と決算整理事項等が本支店に関するものであることを除き、通常の損益計算書や貸借対照表の作成に登場するものと同じです。
本店の損益勘定には支店純損益が振り替えられますので、本店損益の他、支店の純損益を算定する手間がかかります。自分の持ち時間では到底終わりません。途中で気が付いて支店の純利益は捨てた受験者はまずまずの点数が取れていると思います。

第4問
直接原価計算による仕掛品勘定の記入と損益計算書の作成問題でした。問題文と答案用紙をよく見て、資料を読んでいけば正解が得られる問題でした。資料の読み込みに時間を掛けすぎないことがポイントだろうと思います。[資料]7.その他の内容を各項目に当てはめることが出来れば高得点が可能でした。

第5問
工程別総合原価計算の仕掛品や完成品の金額を算定する問題でした。工程別総合原価計算の典型的な問題といってよいと思います。正常仕損費(第1工程は途中発生、第2工程は終点発生)の負担関係、正常仕損品の処分価額(完成品全体から差し引く)の処理に難しさがありますが、受験者は何度も学習している内容であると思われます。よって、20点を獲得して欲しい問題でした。

■第150回検定対応の「日商簿記2級直前模試」は、7月15日発行です。
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148回日商簿記検定2級 講評

【商業簿記】
第1問の仕訳問題は難易度、範囲においてバランスの取れた問題でした。基礎学習がしっかりできている受験者にとっては、問題文を読み込んでいるうちに、解答すべき論点がはっきり見えたのではないでしょうか。パターン学習に終始していた受験生には、問題のポイントが見えにくく、解答しても不安が残る出題であったかも知れません。基礎学習がしっかりできている受験生とそうでない受験生に差が出る良問であったと思います。今後もこのような出題が多くあることを望みます。
第2問は、有価証券の期中取引と決算整理を勘定記入する問題でした。141回に有価証券の一連の処理を問う出題がされていましたので、対策は万全だったのではないでしょうか。ただし、有価証券の取得から決算整理、処分までの一連の取引を確実に身につけていないと高得点は望めない問題であったと思われます。
第3問は、予想どおりといいますか予想外といいますか、連結会計が前回に引き続き出題されました。連結2年目を設問していますので、難易度は高くなっています。今回は連結精算表の作成を問うものでしたが、連結企業集団内の債権債務と取引の相殺消去だけでも正解すれば半分は取れる問題でした。前回出題されたから今回は……と考えていた受験生は相当苦戦したと思われます。

【工業簿記】
第4問は、実際個別原価計算の仕訳の問題でした。普段、目にする実際個別原価計算と景色が異なっていましたが、勘定体系と仕訳、原価計算表の作成という原価計算の基礎が身についている受験生には、得点源だったのではないでしょうか。
第5問は、組別総合原価計算の原価計算表の作成の問題でした。加工費の予定配賦と工程途中発生の減損の処理ができれば高得点が可能な問題でした。普段学習している内容そのものズバリだったと思われます。

今回は第1問、第4問、第5問の3問で50点、第2問、第3問で20点以上を獲得し合格、というところでしょうか。
やはり今回も合格点を獲得するためには、「基本事項の徹底した学習」の大切さを身にしみて感じます。


第1問 仕訳問題
全体的にバランスの取れた良問でした。基礎学習の達成度が結果に表れる問題であったと思われます。
1.仕入割引の問題でした。「割引」という文言がどこにも見当たりませんが、基礎学習が十分な受験者は問題文から「仕入割引」に到達できたことでしょう。
3.株主資本の計数の変動についての出題でした。資本剰余金と利益剰余金の混同禁止の規定が存在していることを頭に入れておくとよいでしょう。よって、その他資本剰余金は資本準備金へ、繰越利益剰余金は利益準備金へ振り替えることになります。
4.売上割戻引当金の取崩しの問題でした。売上割戻引当金の設定方法を理解していることが前提になります。問題文を読んで売上割戻引当金の取崩しの設問だと気が付けば、正答に到達できたでしょう。
5.外貨建取引の振当処理に関する問題でした。取引時のレートと予約時のレートしかデータがないので、その差額を調整すればよいことに気が付かなければいけません。外貨建債権債務の為替差損益の算定は、債権・債務と円高・円安の関係を抑えることが重要です。

第2問 有価証券取引の一会計期間の勘定記入と金額の算定の問題でした。
この種の問題は、答案用紙を素早く埋めることが求められます。
取引日ごとにメモを取り、その都度、各勘定に転記することで80%は得点可能であったと思われます。
売買目的有価証券の取得時、売却時そして決算時までの一連の処理、満期保有目的債券の取得時、決算時までの一連の処理、これらを身につけている受験者には易しく映ったのではないでしょうか。

第3問 連結精算表の作成
支配獲得時の修正処理、のれんの償却、当期純利益の非支配株主への振替、連結会社相互間の債権債務、取引高の修正消去、未実現利益の消去(商品、土地)を精算表に記入して解答を求めるものでした。注意点は以下のとおりです。
(1)貸借対照表と損益計算書のみの作成であること。
(2)個別財務諸表の表示が、借方なのか貸方なのかを判断しなければいけないこと。通常この形式であると貸方項目には(  )が付いています。
(3)連結2年目であること。
以上の点に気を付けて答案用紙を埋めたかどうかで、得点が大きく異なったはずです。
(1)「利益剰余金」と「親会社に帰属する当期純利益」の関係が分かっていれば、利益剰余金の正答が得られる。
(2)精算表作成時の横展開でプラス、マイナスを誤らないように記入できたか。
(3)連結1年目ののれんの償却、当期純利益の非支配株主への振替を忘れていない。
今後も連結は、頻繁に出題されると思われます。山を張らずに学習することが必要です。

第4問 実際個別原価計算
実際個別原価計算の仕訳の問題でしたが、景色が今までの形式とは異なっていたため、一瞬、戸惑った受験生もいたことでしょう。日頃の学習で勘定体系と仕訳処理、指図書別原価計算表の作成を習得した受験生は、各プロジェクトを各製造指図書に読み替えればよいことが分かったと思います。その後は、自信を持ってプロジェクト別に原価を集計し答案用紙を埋めることができたと思われます。高得点が可能です。

第5問 組別総合原価計算
組別総合原価計算における原価計算表の作成の問題でした。本問にはポイントが2つあります。一つ目は、加工費の配分です。直接作業時間によって各組製品に予定配賦するので、原価データが使えたかどうかです。二つ目は、減損の処理です。この減損は工程の途中で発生していますので、完成品と月末仕掛品の双方に負担させることになります。材料費の月末仕掛品の計算は、投入数量から減損数量を差し引いた数量(度外視法)で計算します。このポイントを押さえている受験者は満点が取れたのではないでしょうか。

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148回日商簿記検定3級 講評

全体的に基本的な内容の出題でしたね。簿記3級の基礎固めがしっかりできていた受験者には、朗報が待っていることでしょう。
第1問の仕訳では、一部に難易度の少し高い項目を含んでいましたが、他は普段、何度も練習している取引内容でした。受験者は、手ごたえを感じたのではないでしょうか。
第2問は、勘定記入の問題でした。決算時の処理が理解できている受験者は満点が取れたでしょう。多くの受験者は、決算時の処理を苦手にしています。決算整理および決算振替の処理は、必ず出題されます。確実に押さえておきたい論点です。
第3問は、残高試算表の作成問題でした。日々の取引内容に難しいものはなかったようです。ボリュームも適度であったと思いますので、時間に余裕を持って取り組めたのではないでしょうか。この種の問題には、落とし穴があります。誤って合計試算表を作成してしまうというミスです。それさえなければ高得点が可能でしょう。
第4問は、伝票会計の問題でした。144回にも同様の出題がなされていましたから、過去問をしっかり確認していた受験者は難なく正答に到達できたでしょう。
第5問は、貸借対照表、損益計算書の作成問題でした。過去の出題内容と比べると、難易度は高いといえるでしょう。備品の減価償却で「え!何するの?」と固まってしまうような内容の出題がありました。簿記の学習が浅い受験者にとっては厳しい内容だったように思います。この種の問題は、満点狙いではなく、分かる項目をどんどん埋めて部分点を取ることを優先すべきです。

今回の試験でもいえることですが、余裕を持って合格点を獲得するためには「基本事項の習得」が必須だということです。山かけに頼らず自信を持って試験に臨むためにも、簿記の一巡をしっかり身につけて欲しいものです。


第1問 仕訳問題
基本的な内容を問う出題でした。基本学習に力を注いだ受験者は、手ごたえを感じたのではないでしょうか。
2.の同一店の買掛金と売掛金の相殺処理と差額の支払処理であること、4.の整地費用を土地の取得原価に含めること、5.の借入金利息の日割計算に難易度の高さが見えますが、他は普段何度も練習している内容でした。4題は正解したいところです。

第2問 資本金勘定と引出金勘定への記入
資本金勘定と引出金勘定の記入問題でした。事業用に使用したか、事業者個人が使用したかで処理が異なることを理解していれば、高得点が可能になります。また、勘定記入の問題では、決算時の処理、つまり決算整理の処理、決算振替の処理も重要な論点になります。受験者の多くがこの決算時の処理を苦手にしています。勘定記入の問題では、決算時の処理は避けられない内容ですから、確実に押さえて、さらに得点を伸ばしたいものです。

第3問 試算表の作成
前月末残高試算表に一日一取引の月中取引を加味して、残高試算表を作成する問題でした。ボリュームや取引内容は平均的なレベルであったと思われます。第3問ではメモ用紙の使い方が得点に大きく影響します。仕訳をメモする人、T勘定をメモする人とさまざまでしょうが、自分なりの解き方を持っている人は、余裕を持って解答できたことでしょう。
残高試算表の作成問題では、合計試算表を作成してしまう大きなミスを犯す危険があります。毎回何人かが失敗しています。あなたは大丈夫でしたか?

第4問 伝票会計
伝票の集計・管理の問題でした。仕訳日計表の作成、一部現金取引の記帳について問われています。
伝票の集計・管理は、伝票の起票→仕訳集計表の作成→各勘定への転記という流れが主流です。この流れをしっかり学習した受験者は、満点を取っているものと思います。また、
144回に出題されている問題の類題でしたから、過去問題集をしっかり確認していれば高得点が可能であったはずです。

第5問 貸借対照表、損益計算書の作成
未処理・修正事項、決算整理事項の整理から損益計算書、貸借対照表を作成する問題でした。過去の出題より修正処理の難易度が少し高くなっています。ここは少し時間をかけて正解したいところです。備品の減価償却の文章を見て「ん!」と一瞬固まったと思いますが、初めて登場する論点です。文章どおりに解けば正解まで導けるのですが、舞い上がって失敗したという受験者も多かったのではないでしょうか。簿記の学習が浅い受験者には少々きつかったように思われます。
この種の問題では、答案用紙に空欄を作らないよう、分かる項目をどんどん埋めて部分点を取ることに専念すべきです。いくらメモ用紙が100点でも答案用紙に反映されていなければ0点です。

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第147回日商簿記検定2級講評

[商業簿記]
第1問の仕訳問題は難解でした。ある程度学習した受験者とそうでない受験者との差がつかない内容であったようにも思われます。高い点数を得た受験者は、基本取引文章の一字一句をしっかり読み込む訓練を、相当したであろうと思われます。昨今の仕訳問題は、基本学習が十分で、かつ文章を読み込む力が付いている受験者が高い点数を獲得できる内容になっています。
第2問は、予想どおりといってよいと思いますが、連結会計が出題されました。初めての出題ということもあり、基本的な内容の問題でした。連結1年目の資本連結の仕訳を問うものでしたが、連結会計の基本学習に時間を割いた受験者は、高い点数を獲得できたものと思われます。
第3問の総合問題は、第1問、第2問の難易度が高いので、ある程度セーブされたのか、基本的な内容であったように思われます。基本学習に力を注いだ受験者は高い点数が獲得できたのではないでしょうか。

[工業簿記]
第4問は、本社工場会計の工場側の仕訳を問うものでしたが、基本的な論点がすべてでしたので、基本学習に力を注いだ受験者にとっては、得点源だったのではないでしょうか。
第5問は、パーシャル・プランによる標準原価計算の勘定記入と損益計算書作成の問題でしたが、第4問同様、基本論点として、普段何度も練習している内容ではなかったでしょうか。ここでも高い点数を獲得できたものと思われます。

今回のみならず検定試験で合格点を獲得するためには、「基本事項の徹底した学習」の大切さを身にしみて感じます。

第1問 仕訳問題
全体的に難解な問題でした。さまざまな受験指導校で予想した内容からは大きくかけ離れた問題だったようです。最近の仕訳は、付け焼刃の学習では到底太刀打ちできない取引内容が数多く出題されています。
1.は建物工事の完成と旧固定資産の除却の複合問題でした。従来ですと工事の完成か除却のどちらかが出題されていました。
2.今年度から新たに加わった為替予約の振当処理を問うものでしたが、為替予約が外貨建取引の前に締結されている場合の振当処理の例外処理を問う内容でした。問題文の指示どおりに処理すれば正解を導けるのですが、そこまで読めたかどうか疑問です。
3.クレジット販売の返品処理の問題でした。販売時の取消仕訳をすればよいのですが、手数料の支払処理、消費税の計上が含まれていますので、難解な問題になっています。
4.リース会計の出題でしたが、基本書のリース会計ではリース料後払いのケースが多く、その場合はリース資産とリース債務の計上とリース料の支払を分けて考えればよかったのですが、本問ではリース料が前払いで、上記の取引が同時に行われているという内容でしたから悩んだ受験者は多かったと思います。
5.ソフトウェアの完成と保守費用の計上取引でしたが、保守費用の前払い分の処理ができなかった受験者が多かったようです。

第2問 合併会計と連結会計
問1 合併会計については、仕訳とのれん勘定への記帳問題でした。これは従来の2級らしい問題でしたから正解しなければはいけない問題でしょう。
問2 連結会計については、子会社株式の取得から始まって決算時の評価、そして連結の処理までの一連の手続きを設問する内容でした。サンプル問題から類推するともう少し複雑な内容が含まれていると思いましたが、初めての出題ということで連結の一巡を理解する上で最低限必要な資本連結の仕訳に落ち着いたものと思われます。100%未満取得の資本と投資の相殺消去、のれんの償却、子会社の当期純利益の非支配株主への振替は資本連結といわれる連結会計でも中心になる部分です。次回以降も連結会計は出題されますので配当金の整理を含め確実に抑えておきたい範囲です。連結会計をしっかり学習した受験者にとっては、簡単な問題に映ったのではないでしょうか。

第3問 損益計算書の作成
未処理事項、決算整理事項から損益計算書を作成する問題でしたが、内容は基本的なものでした。とはいってもボリュームは豊富であり、迅速かつ正確に解答することが求められます。総合問題で満点を取るのは至難です。80%は確保したいところでした。ここでも日ごろの基本学習の成果が得点に結びついているようです。

第4問 本社工場会計
工場側の仕訳を問うものでしたが、特に悩む取引は無かったように思われます。材料費会計、労務費会計、経費会計、製造間接費会計の基本を理解していれば高得点が可能な内容であったと思われます。

第5問 パーシャル・プランの標準原価計算
仕掛品勘定の記入と損益計算書の作成という問題でしたが、パーシャル・プランとは何かを知らない受験者にとっては、全く歯が立たない問題だったのではないでしょうか。前回標準原価計算が出題されたから今回は無いと読んだ受験者もいるようですが、標準原価計算は基本学習項目から外せない内容です。原価標準、生産・販売データ、原価実績が丁寧に書かれていますから、標準原価の金額、原価差異の金額も容易に算定できたと思われます。高得点が期待できる出題でした。

第147回日商簿記検定3級講評

全体的に基本的な内容を問う出題であったと思われます。簿記3級の基本事項をしっかり固めていた受験者には朗報が待っていると思われます。
第2問、第4問では、決算問題が出題されると得点が急激に落ち込みます。会社にとって決算は命です。流れを確実に抑えて次につなげてほしいと思います。
第5問では、今回は精算表の作成問題でしたが、財務諸表の作成問題にも精通しておかなければ簿記3級が終了したとはいえません。財務諸表作成が出なくてよかったと思っている人には再度学習してほしいと思います。

第1問 仕訳問題
基本的な内容を問う出題であったと思われます。基本学習に力を注いだ受験者は、手ごたえを感じたのではないでしょうか。
2.の店主の所得税の納付については、資本金勘定で処理すること、4.の再振替仕訳は、決算時に行った仕訳の逆仕訳をすること、が判断できたかが高得点を得るカギになるものと思われます。再振替仕訳は決算振替仕訳の延長線上にありますので、学習が相当進んでいないと手に負えなかったかもしれません。一連の手続としてしっかり学習する必要がある内容です。

第2問 補助簿の記入
移動平均法による商品有高帳の記入、売上総利益等の算定の出題でしたが、売上値引の処理を誤らなければ満点をとれたのではないでしょうか。売上値引については、売価の修正ですから商品有高帳には記入しないことに気が付く必要がありました。出題形式も基本的で特に資料が読みにくかったということはなかったようです。売上総利益に到達する過程も売上原価の意味が分かっていれば帳簿から難なく導けたかと思われます。

第3問 試算表の作成
前月末残高試算表に月中取引を加味して、残高試算表を作成する問題でしたが、ボリュームが豊富でしたので要領よく解答することが求められました。同種取引がまとめてある場合は重複取引を自分で見つけ出すのが本来の形式でしたが、今回は、重複取引が明示してありましたので解きやすかったかと思われます。今風の内容であるICカードのチャージや利用の処理が求められていましたが、指示が明確でしたから悩むことはなかったかと思われます。
残高試算表の作成問題では、合計試算表を作成してしまう大きなミスを犯す危険がありますが、今回は解答用紙に前月末残高試算表が印刷されていましたから、その危険は回避されたものと思われます。以上を勘案すると80%以上の得点は得たいところです。

第4問 勘定記入
支払手数料の繰延べの出題でしたが、受験生の最も苦手としている費用・収益の決算整理の帳簿記入が問われました。決算整理事項の整理に関しては実務でも登場する内容ですから試験の出題有無にかかわらず抑えておかなければいけない内容です。
さまざまな手数料が取引されていましたが、固定資産取得の仲介手数料は固定資産の原価に含めることに注意が必要でした。
決算整理事項の整理については、ただ過去問を暗記するのではなく、手順を抑えるように学習してほしいと思います。

第5問 精算表の作成
未処理・修正事項、決算整理事項の整理から損益計算書欄、貸借対照表欄を埋める精算表の前進問題でした。受験者の多くが得意としている出題ではなかったかと思われます。問題を開いた瞬間に「やった」と思われた人も多かったのではないでしょうか。余裕があった分得点も高かったと思われます。
未処理・修正事項の誤記入の修正に手間取ったかと思われます。簿記の流れが理解できている人は、この修正が難なくできたでしょう。また、保険料や受取家賃の繰延べ処理は3級の基本学習が済んでいる人には、得点源であったと思われます。

全経簿記3級 精算表『消耗品の処理』に関して

この度は弊社刊『全経簿記検定試験PAST3級商業簿記(180回類題~187回類題収録)』をご採用いただき、ありがとうございます。
さて、第5問精算表問題につきましてご案内申し上げます。本書では「消耗品の処理」に関しまして資産法での出題となっておりますが、本試験におきましては「費用法」のみでの出題ということを確認いたしました。

つきましては、本書をお買い上げいただいたお客様には第5問を改訂した問題(182回類題~185回類題)を送付させていただきます。検定対策としてご活用いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

なお、第1問~第4問につきましては、なんら変更を加えておりませんことを申し添えさせていただきます。

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